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4月24日 日本ダービー記念日

4月24日 日本ダービー記念日

1932(昭和11)年、第1回の日本ダービーが開催されました。イギリスのダービーステークスにならって企画された物で、当時の出走馬は19頭、優勝したのは1番人気のワカタカでした。ダービーはサラブレッド3歳馬ナンバーワンを決めるレースです。

記念日アニメ
4月24日 日本ダービー記念日

名馬に関する昔話
(モンゴルの昔話)

スーホーの白い馬
福娘童話集より

スーホーの白い馬

 モンゴルの草原に、スーホという歌のじょうずな若者がすんでいました。
 スーホはおかあさんとふたりで、ヒツジをかってくらしていました。
 ある日スーホは、ヒツジに草を食べさせにいったきり、日がくれても帰ってきません。
 おかあさんが心配していると、スーホーは生まれたての白い子馬をだいて帰ってきました。
「まあ、きれいな子馬だね。どうしたんだい?」
 おかあさんが聞くと、スーホはうれしそうにいいました。
「帰るとちゅうで見つけたんです。持ち主もやってこないし、母馬もいないんです。夜になって、オオカミにでも食われたらかわいそうだから、つれて帰ってきました。うちでかってやりましょう」
 スーホは、白い子馬をとてもかわいがって、だいじにだいじに育てました。
 子馬はどんどん大きくなり、やがて雪のようにまっ白な、りっぱな馬になりました。
 スーホと白い馬は、なかのよい兄弟のように、いつもいっしょでした。
 ある日のこと、村にすばらしい知らせがつたわりました。
 王さまが若者たちを集めて、競馬大会をひらくというのです。
 そのうえ優勝したものは、王女のおむこさんにむかえられるというのでした。
 それを聞いた村の人たちはいいました。
「スーホ、いっておいでよ。おまえならきっと優勝できるよ」
 そしていよいよ、競馬大会の日がやってきました。
 国じゅうから、じまんの馬をつれた若者が集まりました。
 けれど、白い馬にのったスーホにかなうものはひとりおらず、スーホが優勝したのです。
「あの若者と白い馬をここへよびなさい」
と、王さまはいいました。
 スーホは大よろこびです。
 ところが王さまは、スーホが貧乏なヒツジかいだとわかると、王女のおむこさんにするのがいやになってしまいました。
 王さまは、つめたくいいました。
「その白い馬をおいていけ。そのかわりに、黄金三まいをおまえにやることにする」
 これを聞いたスーホは、ビックリです。
(この白い馬は家族のようなものだ。それをお金で買おうなんて、なんてひどいことを)
 スーホは王さまの命令をことわりました。
 すると王さまは、顔をまっ赤にしておこり出し、
「王のいうことを聞かぬぶれい者め。この者をムチでたたくがよい」
 家来たちは、スーホをムチでピシピシうちました。
 キズだらけになったスーホは見物席の外へほうりだされ、王さまは家来に白い馬をひかせて帰っていきました。
 スーホは友だちに助けられて、やっと家に帰りました。
 ムチのために、すっかりボロボロになったスーホは、何日もねたきりでした。
 でも、おかあさんのひっしのかんびょうで、だんだん元気になりました。
 ある晩のことです。
 トントンと、門の戸をたたく音がしました。
「だれだい?」
 返事はありません。
「なんの音だろう?」
 外に出たスーホは、おどろきました。
 白い馬が、門のそばにたってたからです。
「おっ、おまえ、帰ってきたのかい」
 スーホはかけよって、思わず白い馬をだきしめました。
 ところが白い馬の体には、何本ものするどい矢がつきささっているではありませんか。
「なんて、ひどいことを!」
 スーホは夢中で矢をひきぬき、おかあさんといっしょにキズの手当をしてやりました。
 けれど白い馬は、つぎの日、死んでしまいました。
 やがてスーホは、白い馬がもどってきたわけを知ることができました。
 王さまは、白い馬を手に入れたのがうれしくて、人びとをよんで酒もりをはじめました。
 ところが、おおぜいの人びとのまえで白い馬にのろうとしたとたん、白い馬は王さまをふりおとしてしまったのです。
 おこった王さまは、家来たちにむかってさけびました。
「あのあばれ馬をつかまえろ。つかまらなければ、殺してしまえ」
 家来たちは、にげていく白い馬にむかって、雨のように矢をあびせました。
 それでも、白い馬は走ったのです。
 体に矢がささりながらも、なつかしいスーホの家にむかって、死にものぐるいで走ったのです。
 白い馬は、自分をかわいがり、育ててくれたスーホのそばで死にたかったのでした。
 白い馬が死んでから、スーホは悲しくて、くやしくて、夜もなかなかねむれない日がつづきました。
 そしてある日、スーホは弓矢を取り出すと、その弓矢の手入れを始めました。
 白い馬のかたきをうつため、この弓矢で王さまを殺そうと思ったのです。
(白い馬よ、待っていろよ。あしたの朝、あの王さまを殺して、おまえのかたきをうってやるからな)
 その日の晩、スーホのゆめの中に、白い馬があらわれていいました。
「スーホさん、わたしのかたきをうつことを決心してくれてありがとう。ほんとうにうれしいです。でも、もう、わたしは死んでしまっています。王さまを殺してもわたしが生き返ることはありません。それどころか、あなたも殺されてしまうでしょう。どうか、かたきうちはやめてください。それより、ひとつお願いがあるのです。どうかわたしの体で琴(こと)をこしらえてください。わたしは琴になって、いつまでもあなたのそばにいます」
 つぎの日、スーホは白い馬の骨としっぽをつかって、琴をつくりました。
 さおの先は、白い馬の頭のかたちをきざみました。
 やがてスーホは、草原でヒツジのばんをしながら、いつもこの琴をひくようになりました。
 美しい琴の音と、むねにしみるそのしらべは、ほかのヒツジかいたちにとっても、このうえないなぐさめとなりました。
 スーホの琴が聞こえてくると、みんな一日のつかれをわすれ、じっとしずかにその音色に耳をかたむけるのでした。

おしまい

他の記念日

植物学の日
1862(文久2)年、植物分類学者の牧野富太郎が高知県佐川町の豪商の家に生まれました。
94歳でこの世を去るまでの生涯を植物研究に費やして、新種・変種約2500種を発見・命名し、「植物学の父」と呼ばれました。

日本ダービー記念日
1932(昭和11)年、目黒競馬場で日本初のダービー(東京優駿競争)が開催されました。
イギリスのダービーステークスに傚って企画されました。出走は19頭で、優勝したのは1番人気のワカタカでした。
ダービーは元々、第12代ダービー卿が始めた、ロンドン郊外で開催されるサラブレット3歳馬ナンバーワンを決めるレースの事で、イギリス競馬界最高の行事でした。後に、日本を始め世界各国でそれに傚った「ダービー」という名前を附けたレースが開催されるようになりました。

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