5月13日 愛犬の日
ジャパンケンネルクラブ(JK)が1994(平成6)年に制定しました。1949(昭和24)年のこの日、同クラブの前身である全日本警備犬協会が創立されたのを記念しています。この年に開催された第1回の畜犬展覧会では、全国から240頭の犬が参加しました。
愛犬に関する昔話
(グリム童話)
ズルタンじいさん
福娘童話集より
むかしむかし、ズルタンという年取ったイヌがいました。
ある日、ズルタンは飼い主のお百姓さん夫婦が、ヒソヒソ話をしているのを聞きました。
「あのイヌは歯が一本もなくて、泥棒もつかまえられない。もう役に立たないから殺してしまおう。むだなめしを食わせるほど、家は金持ちじゃないからね」
ズルタンは悲しくなって、仲のいいオオカミに会いに行きました。
すると、オオカミが言いました。
「良い考えがある。明日、おれがあんたの飼い主の子どもをさらうから、追いかけてくるんだ。森の中であんたに子どもをわたしてやるよ。飼い主はあんたがオオカミから子どもの命をすくった思って、きっと大事にしてくれるようになるぜ」
オオカミの計画は、とてもうまくいきました。
お百姓さんもおかみさんも、ズルタンを死ぬまでかわいがり、大事にするとちかったのです。
すっかり楽な暮らしになったズルタンに、今度はオオカミがこんな事をいいました。
「あんたの飼い主のヒツジをさらうけど、この前助けてやったんだから見のがしてくれるよな」
「それはだめだ、ほかの事ならともかく、ヒツジを守るのはワシの仕事だ」
オオカミはズルタンに腹を立てました。
「よし、あした森に来い。決闘だ! 思い知らせてやるぞ!」
だけど、オオカミと年寄りのズルタンでは、オオカミの勝ちに決まっています。
そこでオオカミは、助太刀(すけだち)を一人つけてきてもいいといいました。
でも、ズルタンの助太刀なってくれるのは、同じ家にすんでいる、三本足のネコしかいませんでした。
ネコは歩くと足が痛いので、しっぽをピンと高く立てていました。
オオカミはイノシシに助太刀をたのみ、森の中で待ちかまえていました。
ところが、ネコのまっすぐなしっぽが長い剣に見えたのでビックリ。
「あいつを甘く見ていたな!」
「だがネコのやつ、いやにゆっくりだな。きっと石をひろいながら近づいてきているんだ」
怖くなったオオカミとイノシシは、草のしげみに隠れました。
しかし、イノシシの耳がしげみからはみ出て、ピクピクと動いています。
「あっ、ぼくの大好物のネズミだ!」
ネコが大喜びでイノシシの耳にかみつくと、イノシシは悲鳴を上げて逃げていきました。
オオカミはビクビク隠れているところを見られて、とてもかっこわるく思いました。
「歯が一本もなくても、あんたは強いイヌだ。もう、あんたの家のヒツジをおそうことはしないよ」
ズルタンとオオカミは、また仲直りしました。
おしまい
他の記念日
メイストームデー(5月の嵐の日)
「バレンタインデー」から88日目、「八十八夜の別れ霜」ということで、別れ話を切り出すのに最適とされる日。
カクテルの日
アメリカの雑誌『バランス』の1806年5月13日号に、「カクテル」という名称が初めて登場しました。
カクテルとは、酒(種類は何でも良い)に砂糖と水とビターを混ぜた興奮飲料で、俗に『ビタースリング』と呼ばれ、選挙運動の妙薬ということになっていると紹介されています。
竹酔日
竹を移植するのは旧暦5月13日に行うと良いと言われています。これは、この日は竹が酔っていて、移植されてもわからないからだということです。
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