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6月18日 海外移住の日

6月18日 海外移住の日

1908(明治41)年、ブラジル第1回移民として158家族781人が笠戸丸でブラジルのサントス港に到着したのがこの日です。それを記念日として、総理府(内閣府)が1966(昭和41)年に制定、国際協力事業団移住事業部が実施を開始しました。

記念日アニメ
6月18日 海外移住の日

移住に関する昔話
(ハドソンの童話)

ぼうけんしたリス
福娘童話集より

ぼうけんしたリス

 むかしむかし、ある森にリスが住んでいました。
 夏が終わりに近づいたころ、リスはせっせとドングリを集めて、カシの木のすみかにはこんでいました。
「やあ、リス君。何をしてるんだい?」
 さっきからようすを見ていた小鳥が、声をかけました。
「こんにちは、小鳥さん。冬ごもりの支度(したく)をしているのさ。冬は食べ物がないからね」
 いそがしそうに答えるリスに、小鳥はわらいました。
「アハハハハ。そんなことしなくても、冬が来る前に、南の国へわたればいいのに。何もこんな雪にうもれる森で、ふるえてすごすことはないよ。南の国は木の実も果物もどっさりあって、お日さまはあついぐらいてらしてくれるんだよ」
「へえ! その南の国って、どこにあるんだい?」
 リスは集めたドングリをバラバラと落として、目をかがやかせました。
「南の国はね、あの山のむこうだよ。まあ、二週間もあれば大丈夫」
「あの山のむこうかあ。それでさ」
 リスがもっといろいろ聞こうとすると、小鳥はめんどうくさくなったのか、バタバタと飛んで行ってしまいました。
 リスはボンヤリと、遠い山をながめました。
「寒い冬をあったかくすごせたらいいだろうなあ。木の実も果物も、どっさりだって。・・・いいなあ」
 リスは、自分も南の国へ行きたくなりました。
 やがて秋が来て、色づいた木の葉もちり、風がピューピューと冷たくふきながら、森をかけまわる冬がやって来ました。
 リスはドングリを集めるのも、あたたかい寝床(ねどこ)を作るのもやめて、毎日、南の国でくらすことばかり夢見ていました。
 そうして、カシの木がすっかり葉っぱを落としてしまうと、
「さあ、行こう。あたたかい南の国へ」
と、ほんとうに南へと出発(しゅっぱつ)したのです。
 リスは走って森をぬけ、沼地(ぬまち)では何度も足をとられそうになり、木ぎれにつかまってわたりました。
 走り続けて、やっと山のふもとにたどりついたのは、もう夕方でした。
 足はクタクタにくたびれて、パンパンにはれあがっています。
「今夜中に山のてっぺんにのぼって、南の国に『おはよう』のあいさつをするんだ!」
 リスは何度もそう言って自分をはげまし、一歩ずつのぼって行きました。
 けれども、足が痛い上におなかもペコペコです。
 風はリスをふるわせて、夜空の星もこおりそうな寒さです。
「ああ、もう、だめだ・・・」
 リスは大きな石を見つけて、そのかげで丸くなりました。
 そしてため息をついたとたん、気がつきました。
「そうか、小鳥たちは空を飛んでわたるから、くたびれないで南の国へ行けるんだ。・・・ああっ!」
 そのときです。
 リスはいきなり、背中をナイフでさされたような痛みをおぼえました。
 そのとたん、体がうきあがり、あっという間に空高くつれさられたのです。
 リスをつかまえて飛んだのは、恐ろしいトンビでした。
 リスはこわくてたまりませんでしたが、もう、あばれる力もありません。
 もっとも、本当にあばれたら、地面に落とされて死んでしまうでしょう。
「どっちにしても、ぼくは死んじゃうんだ」
と、そのとき、ビュー! と風がふいてきたかと思うと、一羽のするどいくちばしをもった別のトンビが来てどなりました。
「やい、そのエサをこっちへよこしな! 言うとおりにしないと、お前の背中を血だらけにするぜ!」
「じょ、冗談じゃねえ!」
 リスをつかまえたトンビは逃げましたが、リスが重くて思うように飛べません。
 たちまち、トンビとトンビが夜空でたたかいを始めました。
 一羽が逃げるともう一羽が追いかけて、ツメで傷つけ、くちばしでつつきます。
 リスは暗い夜空をツメでつかまれたまま、あっちへ飛びこっちへ飛びとふりまわされ、痛さとこわさで何度も気絶(きぜつ)しそうになりました。
 そのうちに、リスをつかまえていたトンビが背中をやられて、思わずツメをゆるめたのです。
「うわぁー!」
 リスはまっさかさまに、落ちて行きました。
「もう、だめだ!」
 リスは、一瞬(いっしゅん)、気をうしないましたが、何かにぶつかって、ハッと目を開けました。
 運がいいことに、リスは森の木の枝にひっかかったのです。
 リスは最後の力をふりしぼって、枝につかまりながら、用心(ようじん)して木をおりました。
 やっと地面におりて、リスが木を見あげてみると、
「ああっ、ここは!」
 そこは今まで住んでいた森で、落ちた木はリスの家のカシの木だったのです。
 リスは大喜びで、作りかけの寝床(ねどこ)に丸くなりました。
「ああ、なんていい気持ち! 冬は寒くても、やっぱり自分の家が一番!」
 リスは心から安心して、グッスリと眠りました。

おしまい

他の記念日

考古学出発の日
1877(明治10)年、大森貝塚を発見・発掘したアメリカの動物学者、E.S.モース博士が来日しました。
6月20日、モース博士が汽車で横浜から新橋へ向かう途中に貝殻が堆積しているのを発見し、まもなく発掘調査が行われました。これが日本で初めての科学的な発掘調査で、日本の考古学の出発点となりました。

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