8月23日 白虎隊の日
戊辰戦争で会津藩の白虎隊20人の隊員が、城下の飯盛山で自刃(じじん)したのが1868(慶応4)年のこの日です。
白虎隊は16歳から17歳までの少年で編成されていました。
町に火の手が上がったのを落城と思い自刃しましたが、鶴ヶ城が降伏により開城したのは1ヶ月後のことでした。
記念日アニメ
トラの出てくる昔話
トラと坊さんとやまイヌ
インドの昔話 →インドの詳細
福娘童話集より
むかしむかし、一ぴきのあばれもののトラが、ワナにかかりました。
「たすけてくれー! 外に出してくれー!」
そこへ、一人の坊さんが通りかかりました。
「お坊さま。どうかわたしを、ここから出してください」
トラは、きゅうにやさしい声でいいました。
「だめだよ。おまえは外に出たら、きっとわるいことをするだろう」
「とんでもない。ご恩は一生わすれません。わたしはあなたの召使いになって、おつかえしますよ」
トラがないてたのむので、坊さんはかわいそうになりました。
「おまえは、それほどわるいやつじゃなさそうだな。よし、出してやろう。そのかわり、二度とわるいことをするんじゃないよ」
オリから出してもらったトラは、おなかをかかえてわらいました。
「ワハハハハハ。バカな坊さんだ。わたしはおなかがペコペコなんだよ。どれ、あなたをごちそうになろうかな」
坊さんは、ビックリしていいました。
「ま、まってくれ。わたしをこんなめにあわせることが、いいことかわるいことかみんなにきいてみる。そのあいだだけ、わたしをたべないでいておくれ」
坊さんはそういうと、すぐそばにあった大きなぼだいじゅの木にたずねました。
ところが、ぼだいじゅの木は、
「わたしなんか、いつもそんなめにあっていますよ。旅人に木かげをかしてあげているのに、枝や葉をちぎられてしまうのですから」
と、いって、ちっともトラの味方をしました。
ガッカリした坊さんは、こんどは水牛をつかまえて、ずるいトラのしうちを話しました。
「それはおきのどくさま。でも、わたしをごらんなさい。みんなはわたしがミルクを出すうちは、よろこんで油かすやワタの実のエサをくれます。ところがミルクが出なくなったとたんに、ろくにエサもくれないんですよ」
水牛も、トラの味方です。
ガッカリした坊さんは、トボトボと道をあるきながら、こんどは道に、トラの話をしてみました。
すると、道は、ニガニガしくいいました。
「人に、いいおかえしをのぞむのはむりですよ。まずしい人もお金持ちも、いろんな人がわたしをふみつけて通るのに、このわたしにくれるものといったら、ゴミとか、つばとか、タバコの灰ぐらいのものですよ。ま、あきらめるんですね」
「ああ、もうだめだ。だれも味方してくれない」
坊さんは、かなしくなりました。
「どうしたんですか? お坊さん」
ちょうど通りかかった山イヌが、ふしぎそうにたずねました。
「わたしはもうすぐ、トラにたべられてしまうんだよ」
「へえ。どうして?」
坊さんは、山イヌにわけを話してきかせました。
「それはふしぎな話だなあ。なんだか、さっぱりわからないや」
山イヌは、あたまをかしげるばかりです。
そこで坊さんは、もう一度、話をきかせてやりました。
「ああ、ますますわからないや。右の耳から話がはいると、左の耳からぬけていってしまう」
山イヌは、頭をたたきました。
「そのトラのところに行ってみましょうよ。そうしたら、わけがわかるかもしれない」
トラは、ツメとキバをとぎながら、坊さんを待っていました。
「ずいぶんおそいじゃないか。もう、がまんできないぞ」
坊さんは、ガタガタふるえながらたのみました。
「もうちょっとだけ待ってくれ。この山イヌが、どうしても話がわからないっていうんだよ」
「うるさい山イヌめ。まあいいや。ごちそうは目の前にあるんだし」
坊さんは、なるべく長生きしたいので、こまかいところまで残らず山イヌに話してやりました。
すると山イヌは、おおげさにさけびました。
「ああ、そうか。わかったぞ。なんだ、こんなかんたんなことだったのか。つまりえーと、お坊さんがオリの中にいた。そこにトラが通りかかったんですね」
「バカもの! このわたしがオリの中にいたんだよ」
トラは、あきれていいました。
「そうでした。このわたしがオリにいた。いやちがう。このわたしっていうのは坊さんのことですね。お坊さんがオリにいて、トラが外を通りかかったと」
「ちがう! わたしっていうのは、このわたしのことだ。わからずやめ、こうなったら、わかるまで話してやるぞ」
「はい、おねがいします」
「よく聞けよ。いいか、ここにいるわたしはトラさまだ」
「はい、トラさま」
「これが、坊さんだ」
「はい、坊さん」
「これがオリ。このオリの中にいたのは、このトラさまだ」
「なるほど、トラさまの中にいたのは、このオリですね」
「な、なんだって! このマヌケ!」
「そ、そんなにおこらないでくださいよ。だいたい、最初の最初がどうなっていたかわからないからいけないんだ。えーと、トラさまは、どうやってこのオリにはいったんですか?」
「どうやってだって? そうだなあ。なにげなくはいったと思うよ」
「なにげなくとは、どういうことですか?」
するとトラは、もうがまんできなくなって、オリの中へとびこんで見せました。
「大バカものめ。なにげなくとは、こういうことだ」
「なるほど。それで、このようにカギがしまっていたのですね」
山イヌはそういうと、オリの戸のカギをしめてしまいました。
「そうだ。そのようにオリがしまって、出られなく・・・。あっ、しまった! このとぼけた山イヌめ!」
こうしてトラは、おとぼけのうまい山イヌにとじこめられ、もう二度と外には出られませんでした。
おしまい
他の記念日
奴隷貿易とその廃止を記念する国際デー
国際デーの一つ。
きょうの「366日への旅」
誕生花検索
きょうの誕生花
誕生日検索
きょうの誕生日
福娘童話集
きょうの日本昔話
福娘童話集
きょうの世界昔話
福娘童話集
きょうの小話
福娘童話集
きょうのイソップ童話
今月一覧へ トップへ