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9月1日 防災の日

9月1日 防災の日

1923(大正12)年のこの日、関東大震災が起こりました。その大惨事を忘れないため、また台風の被害の多い時期であることから、1960(昭和35)年に国土庁(国土交通省)が制定しました。関東大震災の惨事を教訓として防災意識を高めることを目的に、毎年各地で防災訓練などが実施されてます。

記念日アニメ
9月1日 防災の日

防災に関する昔話
(きっちょむ話)

火事の知らせ方
福娘童話集より

 あるばんの事です。
 とんちが得意のきっちょむさんが、かわや(トイレの事)におきると、向こうの空が、まっ赤にそまっています。
「ややっ、火事かな。どのへんじゃろ? うん? あの辺りは、もしや!」
 どうやら、村のしょうやさんの屋敷の辺りです。
「たっ、大変だー! すぐに、すぐに知らせに行かなくては!」
 きっちょむさんは、かわやを飛び出して、はだしでかけだそうとしましたが、
「・・・いや、まてよ」
 寝ていたおかみさんを起こして、まず、お湯をわかしてもらって、ていねいに、ひげをそりました。
 それから、大事な時に着る「かみしも」を着て、たびをはいて、せんすを手にして、ゆうゆうと落ち着いて、しょうやさんの屋敷へ出かけました。
 火事は庄屋さんのはなれでした。
 まだ、誰も気がついていません。
「しょうやさん、しょうやさん。はなれが火事でございますよー」
 きっちょむさんは、雨戸をしずかに叩いて、しょうやさんを呼び起こしました。
 声が小さかったし、戸の叩き方もおとなしかったので、しょうやさんは、なかなか目をさましません。
「しょうやさん、しょうやさん。はなれが火事でございますよー。はやく消さないと、大変なことになりますよー」
「・・・・・・」
 しばらくたってから、
「なに、火事じゃと!」
 しょうやさんがやっと起きて戸を開けると、はなれはもう、ほとんどやけてしまったあとでした。
 次のあさ、しょうやさんはかんかんにおこって、きっちょむさんの家にやってきました。
「おまえはゆうべ、火事だというのに、なぜ、かみしもなどつけて、ゆっくりきた。しかも、あんなおとなしい知らせかただ。はなれを、丸やけにしてしまったではないか。火事のときは、なにをさておいてもかけつけて、大きなこえや、ものおとで、知らせねばだめだ!」
 きつい文句をいいました。
「へい、次からは、そうしましょう。・・・けど、しょうやさんは、いつも、『男はいざというときはおちついて、みなりもきちんとせよ』と、言っていたではありませんか」
「それも、ときとばあいじゃ! そのくらいのことをわきまえないで、どうする!」
 おこったまま、かえっていきました。
 せっかく火事を知らせてあげたのに、きっちょむさんは、おもしろくありません。
 さて、それからいく日かたった、ばんのこと。
 きっちょむさんは、よなかに、がばっとはねおきると、丸太をかついで、しょうやさんの屋敷にかけつけました。
 そして、丸太を力いっぱいふりあげて、
ドンドン! ドンドン!
と、雨戸をたたいて大声でいいました。
「火事だ! 火事だ! 火事だー!」
 しょうやさんは、とびおきました。
 あま戸をあけると、きっちょむさんです。
「火事はどこだ! おいおい、そんなにたたくな。屋敷がこわれるではないか」
 すると、きっちょむさんは、丸太をほうりだして、
「ああ、くたびれた。どうです。本当に火事があったときには、今くらいの知らせ方で、いかがでしょうか?」

おしまい

他の記念日

防災用品点検の日
防災アドバイザーの山村武彦氏が提唱。
関東大震災の起きた9月1日のほか、3月1日・6月1日・12月1日の年4回。

くいの日
東日本基礎工業協同組合が1993(平成5)年に制定。
「く(9)い(1)」(杭)の語呂合せ。
基礎工事現場での殉職者の慰霊及び基礎工事の安全作業を推進する日。

宝塚歌劇団レビュー記念日
宝塚歌劇団が1989(平成元)年に制定。
1927(昭和2)年、宝塚少女歌劇団が日本初のレビュー『モン・パリ』の初演を行いました。

霞ヶ浦の日 (茨城県)
茨城県が1982(昭和57)年に制定。
1982(昭和57)年、「霞ヶ浦富栄養化防止条例」が施行されました。
県民の水質浄化意識を高める為に、霞ヶ浦浄化キャンペーンが行われます。

キウイの日
ニュージーランド産キウイフルーツの輸入等を行っているゼスプリインターナショナルが制定。
「キュー(9)イ(1)」の語呂合せ。

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