11月23日 勤労感謝の日
明治以来、天皇制がなくなるまで、11月23日(第2卯の日)は「新嘗祭(にいなめさい)」という祭日でした。新しくその日に生まれた米の収穫を感謝する祭りで7世紀頃に宮中儀式として確立されたようです。これが、1948年の「祝日法」により「勤労感謝の日」に制定されました。
記念日アニメ
労働に関する昔話
(日本の昔話)
ぶらぶらたろう
福娘童話集より
むかしむかし、ある村に、たろ助という若者がおりました。
たいそうななまけもんで、毎日ぶらぶら遊び暮らしております。
きょうもぶらぶらと遊んでいますと、たろ助を呼ぶ声がしました。
「もしもし、たろ助どん」
声のするほうを見ると、小さなつぼがころがっています。
「こりゃあ、ええもん見つけたぞ」
と、拾いあげると、つぼの中には、小さい男がいるではありませんか。
「わわっ! おまえは、だれだ!」
「たろ助どん、わしはおまえさんのように、ぶらぶら遊んでいるなまけもんが好きでな、きょうから、おまえさんの家で暮らしたい。どうか連れていってくれ」
「そうか。なら、こいや」
家に帰ったたろ助が、つぼから出してやると、それは、たろ助の手のひらに乗るほどの小さな男でした。
「ま、ゆっくりせいや。すまんが、留守番を頼むぞ」
たろ助があっちこっち、ぶらぶら遊んでから、家に帰ってみると、見たこともない男が、大の字になって寝ています。
「おい起きろ! おまえはどこのもんだ!」
「おい、忘れたのか。つぼから出てきたわしを」
「えっ? ・・・ひえっ! なんでまた、そう大きうなった」
「じつはな、おまえが遊んでくれると、わしのからだが大きくなるんだ。これからも、よう遊んでくれや」
ビックリした、たろ助ですが、あくる日も遊びに出かけました。
そして、タ方帰ってくると、男はまた大きくなって、頭が天井につきそうでした。
たろ助は、いつ踏みつぶされるか心配で、ひと晩じゅう、へやのすみでひやひやしておりました。
朝になるのを待ちかねて、たろ助は家から逃げるように飛び出すと、その日もタ方まで、ぶらぶらと遊んで帰りました。
すると、家の戸口から大木のような足が、ニョキニョキと出ていて、窓からは太い手が飛び出していました。
「うひゃーっ、こりゃあ、たまげたー!」
たろ助は、家の中にはいることができません。
「やれやれ、とんだことになっちまったぞ。あしたも遊んでいると、家をつぶされてしまうな」
たろ助はつぎの日、いやいや畑しごとをしました。
夕方、家に帰ってみると、男は二回りほど、小さくなっていました。
「ははん、おらが働けば、小そうなるんだな」
それからたろ助は、毎日毎日働きました。
それにつれて、男はだんだん小さくなっていきます。
とうとう、つぼから出たときのように、小さくなった男は、
「たろ助どん、ここは住みにくうなった。もう一度わしをつぼに入れて、道ばたに捨ててくれや」
「ほいよ、承知した」
たろ助は小さい男をつぼに入れて、道ばたに捨てました。
それからは毎日、たろ助はまじめにはたらいて、お金持ちになったということです。
おしまい
他の記念日
手袋の日
日本手袋工業組合が1981(昭和56)年に制定。
これから手袋が必要になる季節に向けて、祝日の勤労感謝の日を記念日にしました。
外食の日
日本フードサービス協会(ジェフ)が1984(昭和59)年に制定。
Jリーグの日
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が1993(平成5)年に制定。
1992(平成4)年、Jリーグ初の公式戦・ナビスコカップ決勝が東京の国立競技場で行われました。
いいふみの日
郵政省(現在の日本郵政公社)が制定。
「いい(11)ふみ(23)」の語呂合せ。
いい兄さんの日
「いい(11)にい(2)さん(3)」の語呂合せ。
いい夫妻の日
「いい(11)ふさい(23)」の語呂合せ。
いい家族の日
全国家族新聞交流会が制定。
「いい(11)ファ(2)ミ(3)リー」の語呂合せ。
ゲームの日
全日本アミューズメント施設営業者協会連合会・日本アミューズメントマシン工業協会・日本SC遊園協会が制定。
仕事や勉強の尊さをはっきり自覚しながら、ゆとりある遊びとしてのゲームを楽しみ、ゲームと生活との調和が感じられる日であるとして、勤労感謝の日を記念日としました。
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