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12月24日 クリスマスイブ

12月24日 クリスマスイブ

イエス・キリストの生誕を祝う、キリスト降誕祭前日がクリスマスイブです。キリスト教の教会では、前夜祭として、クリスマス当日にかけて深夜ミサが行われます。教会では賛美歌を歌い、キリスト誕生の話が語られます。

記念日アニメ
クリスマスイブ

クリスマスに関する昔話
(アメリカの昔話)

クリスマスの鐘
福娘童話集より

クリスマスの鐘

 これは、むかしから、アメリカにつたわるお話です。
 ある町に、大きな教会がありました。
 教会には、天にそびえる、高い塔があって、りっぱな鐘がつるされていました。
 その鐘には、『クリスマスの夜にだけなる』という、ふしぎないいつたえがありました。
 ところが、まだ一度も、この鐘がなる音を、聞いた人はありませんでした。
 クリスマスが近づくと、町の人たちは、塔を見あげて、はなしあいます。
「今年こそは、あの鐘のなる音が聞かれるかなあ」
「さあ。わしは、八十年も生きているが、まだ、一度も聞いたことがない。なんでも、わしのじいさんが、子どものころに聞いたそうだが、それは、すばらしい音色だったそうだ」
「どうすれば、あの鐘はなるのだろう」
「神様におくり物をすればなる、という話だよ」
 さて、この町のはずれの小さな村に、ペドロという男の子と、弟がいました。
 ある日、ペドロは弟にいいました。
「クリスマスの教会って、とってもにぎやかなんだってさ」
 すると、弟は目をかがやかせて、せがみました。
「わあ、ぼくいってみたいなあ」
「よし、つれていってあげるよ」
 ペドロは、弟と約束しました。
 そして、まちにまったクリスマスのまえの夜。
 ペドロと弟は、しっかりと手をつないで、いそいそと、町へむかいました。
 町の入り口までいった時、ふたりは、女の人がたおれているのを見つけました。
「どうしたのかな? この人、動かないよ。お兄ちゃん、どうしよう?」
「このまま、ほうっておいたら、こごえ死んでしまう。こまったなあ」
 あたりには、だれもいません。
 ペドロは、ポケットから銀貨をとり出すと、弟にさし出しました。
「この銀貨は、神様へのおくり物だよ。ぼくは、この人を助けるから、ひとりでいっておいで」
「えっ、ぼくひとりでいくの? お兄ちゃんだって、あんなにいきたがっていたじゃないか」
「いいんだ。さあ、いっておいで」
 弟は、しかたなく、ひとりで町の中へ入っていきました。
 教会の中は、たくさんの人でにぎわっていました。
 どの人も、神様へのりっぱなおくり物を、とくいそうにもっていきます。
 キラキラと、まぶしく光る宝石、山のような金貨、立派な銀食器・・・。
 だれもが、すばらしいおくり物をして、鐘をならそうと、考えていました。
 けれど、鐘はなりません。
「今年こそ、鐘をならしてみせるぞ」
 さいごに王さまも、いのちのつぎにたいせつにしている、金のかんむりをささげました。
 さすがに、これで鐘がなるだろう。と、みんなは、ジッと耳をかたむけました。
 でも、高い塔の上は、シーンと、しずまり返ったままです。
「ああ、なんと、王さまの金のかんむりでもだめなのか」
「きっと、あの鐘は永久にならない鐘なんだ」
 人びとが、あきらめて帰りかけた時です。
 とつぜん、塔から美しい鐘の音が、ひびいてきたではありませんか。
♪カローン、コラーン、カローン、コローン・・・・・・。
「あっ! なった、とうとうなった!」
「鐘をならすほどの、おくり物をしたのは、いったいだれだろう?」
 王さまをはじめ、人びとは、いっせいにふり返りました。
 そこには、ペドロの弟が、はずかしそうにたっていました。
「ぼく、お兄ちゃんからあずかった銀貨を一まい、神様にささげただけだよ」
 弟は、そう、いったあと、
(お兄ちゃんの助けてあげた、あの女の人は、きっとだいじょうぶだろうな)
と、思いました。
 すばらしいおくりものというのは、高価だからよいのではありません。
 大した物ではなくとも、おくる人の心がこもっていればよいのです。
 メリークリスマス

おしまい

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1年で最後の地蔵の縁日。

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