ナスカの地上絵「ハチドリ」

ナスカの地上絵「ハチドリ」

ナスカの地上絵「ハチドリ」
ペルー南部海岸のナスカ谷とイカ谷の間の砂漠台地にえがかれた地上絵は、ヨーロッパ人がこの地にやってくる以前にすでに存在していた。地表の小石や砂をとりのぞき、白い砂を露出させるという方法でえがかれていて、上空からでなければ全体をみることができない。直線や渦巻文のほか、サル、クジラ、トカゲ、クモ、植物などをえがいた巨大な絵は、大きなものは200〜300mというものもある。このハチドリの長さは約75m。20世紀初頭にこの地域を飛行機が通過するようになってはじめて発見された。直線は天体観測と関係があると考えられているが、地上から判別できない絵をなぜえがいたのか考古学上の謎(なぞ)である。一筆書きでえがかれていることから、絵をたどってゆく一連の動きが宗教儀式となっていたという説もある。