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        5年生のイソップ童話 
         
          
         
        人とサチュロス 
      
       むかしむかし、ある男が、腰(こし)から上は人間で、腰(こし)から下がヤギのからだという、半人半獣(はんじんはんじゅう)のサチュロスと友だちになりました。 
   冬が来て寒くなると、男は両手を口のところへ持っていって、フウフウ息を吹(ふ)きかけました。 
  「どうして、そんなことをするのかい?」 
  と、サチュロスがたずねました。 
   男は、 
  「手がつめたいから、息であたためているんだ」 
  と、答えました。 
   その後、食事がはこばれてきました。  
   とても熱い料理でした。  
   男はその熱い料理を口のところへ持っていって、フウフウ息を吹(ふ)きかけました。  
  「どうして、そんなことをするのかい?」 
  と、またサチュロスがたずねました。 
  「あんまり熱いから、息でさましているんだ」 
  と、男は答えました。 
   それをきいた、サチュロスは、 
  「いやはや、なんてことだ。ぼくは、きみの友だちをやめるよ。同じ口から熱さと冷たさをはきだすなんて、そんな人とは、友だちになってはいられないよ」 
   
   この話は、へんな人とは、友だちにならないようにしましょうと、いうものですが、でもそのまえに、相手のことを理解することが大切です。  
      おしまい 
        
         
         
        
       
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