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        3年生のイソップ童話(どうわ) 
         
          
         
年をとったライオンとキツネ 
      
       年よりのライオンがいました。 
   ライオンはからだが弱っていたので、もう、若(わか)いころのように、走って狩(か)りをするのがめんどうでした。 
   そこでいいことを思いつき、こんなおふれを動物(どうぶつ)たちに出しました。  
  「動物(どうぶつ)の王である、わたし『ライオン』は病気(びょうき)になってしまった。わたしの見舞(みま)いにどうくつまで来た者(もの)には、ほうびと高い位(くらい)をさずけよう」 
   そして、見舞(みま)いに来た動物(どうぶつ)たちを、ライオンは片っ端(かたっぱし)から食べてしまいました。  
   しかし、キツネだけは、来ませんでした。  
   ライオンはキツネに、なぜこないのかとたずねました。  
   すると、頭のいいキツネは答えました。  
  「はい、どうくつに入ったみんなの足あとはのこっているんですが、どうくつから出た足あとは1つもありません。きっと、どうくつからどうやって出たらいいのか、みんな分からなかったのでしょう。わたしも分からなくなるとこまるので、いきませんでした」 
   さすがのライオンも、これには何も言い返(いいかえ)せませんでした。  
   
   このように、頭のよい人は、ちょっとしたヒントから危険(きけん)をさっちし、あぶない目にあわずにすむのです。  
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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