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        5年生のイソップ童話 
         
          
         
ゼウスとプロメテウスとアテネとモモス 
      
       ゼウスは、ギリシャの神がみの中でいちばんえらい神。 
   プロメテウスは、ゼウスから火をぬすんで、人間にさずけたといわれる神。 
   アテネは、学問の女神です。 
   この3人の神が、あるときコンクールをしました。 
   ゼウスがつくった雄牛(おうし)と、プロメテウスがつくった人間と、アテネがつくった家、どれがいちばんよくできたかを、くらべようというわけです。  
   審判官(しんぱんかん)には、モモスがえらばれました。 
   モモスは、ふへいや、わるぐちばかりいう神です。  
   モモスは、ゼウスたちがつくったものを見て、ねたましくなりました。  
   それでまず、ゼウスの雄牛(おうし)について、  
  「これは失敗ですね。雄牛(おうし)の目は角の先につけなければだめですよ。角でつくときに、どこをつくか、ちゃんと見さだめるには、目は角の先になくてはね」 
  と、いいました。 
   次にプロメテウスの人間をさして、  
  「だめだめ、人間の心は外側につけなければ。心が外についていれば、わるだくみがまるみえで、かくしようがないでしょう。だれもかれも、心の中で思っていることをちゃんと見せるように、心は外側でなくてはね」 
   アテネがつくった家については、  
  「ふーむ。家をつくるなら、車つきにすべきでしたね。となりにいやなやつがこしてきたら、すぐべつのところへうつれるように、家には、ちゃんと車をつけてほしかったですな」 
   いやみばかりいうモモスにたいして、ゼウスはすっかり腹(はら)を立てて、神がみの山オリンポスから追い出してしまいました。  
   
   この話は、どんなによくできたものでも、けちをつけようとする人が見れば、かならずなにかしら欠点がみつかるものだと、いうことをおしえています。  
      おしまい         
         
        
       
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