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        6年生のイソップ童話 
         
          
         
牛飼いとライオン 
      
      
       ウシの群れに草を食べさせていた牛飼いが、子牛が一頭いなくなったのに気がつきました。 
   近くをひとまわりしてみましたが、子牛はみつかりません。 
   そこで、牛飼いはゼウスに、 
  「ゼウスさま、どうか子牛どろぽうをみつけさせて下さい。この願いがかなったら、子ヤギを一頭あなたにささげます」 
  と、約束しました。 
   ところが、森の中にはいってみますと、なんとライオンが子牛をかみ殺しているではありませんか。  
   牛飼いはブルブルとふるえあがって、両手を天にさしのべてさけびました。  
  「おお、ゼウスの神さま、さっきは、子牛どろぼうがみつかったら、子ヤギをささげるといいましたが、こんどはウシを一頭ささげますから、どうかわたしがウシどろぼうにつかまらないようにして下さい」 
   
   不幸にあったとき、うろたえて、なんとか助かる方法はないかとさがしまわりながら、いざその方法がみつかると、逃(に)げごしになる人がいます。  
   この話は、そういう人のことをいっています。  
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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