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        2年生のイソップ童話 
         
          
         
大きい魚(さかな)と小さい魚(さかな) 
      
       ひろいひろい、海(うみ)の中には、さまざまな魚(さかな)が住(す)んでいます。 
   人間(にんげん)より、大きい魚(さかな)もいれば、赤ちゃんの小指(こゆび)より、小さい魚(さかな)もいます。 
   魚(さかな)たちの中には、ただ、体(からだ)が大きいというだけで、やたらにいばる魚(さかな)もいます。  
  「やい、どけ、どけ。小魚(こざかな)どもめ。おれさまが見えないのか。じゃまをすると、承知(しょうち)しないぞ」 
   気の毒(きのどく)に、小さい魚(さかな)は、大きい魚(さかな)をこわがって、いつもびくびくしていました。  
   さて、ある日のこと。  
   1人の漁師(りょうし)が、沖(おき)へ船(ふね)をこぎ出しました。  
   漁師(りょうし)は魚(さかな)をとるアミを、海(うみ)にパッと投(な)げかけました。  
  「うわーっ、助(たす)けてくれ」 
   アミにかかった、大きな魚(さかな)が、ジタバタしながらさけびました。  
   小さな魚(さかな)も、いっしょにつかまりましたが、こちらはアミの目のあいだから、するりと逃げ出(にげだ)して、そのまま海(うみ)の中に戻(もど)っていきました。  
   けれども、大きい魚(さかな)はアミごと引き上(ひきあ)げられてしまい、二度(にど)と海(うみ)へは、かえれませんでした。  
   
   目立(めだ)たないけど、つつましい人は、災難(さいなん)を逃(のが)れ、目立(めだ)つ有名(ゆうめい)な人は、災難(さいなん)にあいやすいものです。  
   世の中(よのなか)は、大きいよりも、小さい方(ほう)が得(とく)をすることがあるのです。  
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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