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        4年生のイソップ童話(どうわ) 
         
          
         
恋(こい)するライオンとお百姓(ひゃくしょう) 
      
       
      
       あるライオンが、お百姓(ひゃくしょう)の娘(むすめ)を好(す)きになりました。 
  「おたくの娘(むすめ)さんを、どうぞ、ぼくのお嫁(よめ)さんに下さい」 
  と、ライオンは、お百姓(ひゃくしょう)にたのみました。 
   お百姓(ひゃくしょう)は、すっかりこまってしまいました。  
   かわいい娘(むすめ)を、おそろしいライオンのお嫁(よめ)さんにするなんて、とんでもない話しです。  
   でも、あいてはライオンですから、ことわることも、こわくてできません。  
   さんざん考えたあげく、お百姓(ひゃくしょう)は、1つの計画を思いつきました。  
   毎日毎日 
  「娘(むすめ)さんを下さい」 
  と、いってくるライオンに、  
  「そりゃあ、あなたなら娘(むすめ)のむことして、もうしぶんありません。よろこんでお嫁(よめ)にやりたいのですが。ただ、1つ心配なことがあるのです。あなたのその大きなキバを、ぬいていただけませんか。それから、爪(つめ)を、みじかく切っていただけないでしょうか。じつは、娘(むすめ)があなたのキバと爪(つめ)がこわくてたまらないと、いうものですから」 
   ライオンは娘(むすめ)にむちゅうでしたから、すぐに、いわれたとおりにしました。  
   こうなると、お百姓(ひゃくしょう)にとって、ライオンはこわい動物ではありません。  
   次の日、ライオンがたずねてきたときには、棒(ぼう)でなぐって追い返してしまいました。  
   
   人のいうことをかるがるしく信用(しんよう)して、自分の武器(ぶき)を捨(す)ててしまうと、それまで自分をこわがっていたあいてにも、やすやすとまかさせてしまうということを、この話はおしえています。  
      おしまい         
         
        
       
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