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3月18日の日本の昔話
  
  
  
  大工さんと大入道
 むかしむかし、あるところで、うでのいい大工(だいく)さんが、一日の仕事をおえて、
  「さあ、うちへかえろう」
  と、どうぐばこをかたに、日ぐれの山みちを帰っていきました。
   あたりはもう、だいぶ暗くなっています。
   いそいで歩いていくと、きゅうに、ザワザワと風がふいてきました。
   そして、赤い服をきた大入道(おおにゅうどう)が、ヌーーーッと、あらわれたのです。
  「で、でたあ!」
   大工さんは、逃げ出そうとおもいましたが、気持ちをぐっとおちつけると、
  「まてまて、人に話すとき、どのくらい大きな大入道だったか言えるよう、すんぽうをはかってやろう」
  と、どうぐばこのさしがねを取り出しました。
   すると、大入道は、
  「おれは、はかられたくねえ!」
と、けむりのように消えてしまいました。
おしまい