2年生の日本昔話(にほんむかしばなし)
イラスト たつよ 提供 らくがきの日常
びょうぶのトラ
※低学年用の文章のため、音声の一部に違いがあります。
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言(い)う、とんちで評判(ひょうばん)の小僧(こぞう)さんがいました。
一休さんのとんちのひょうばんをきいて、殿(との)さまがお城(しろ)にまねきました。
「さっそくじゃが、そこにあるびょうぶのトラを、しばりあげてくれぬか。よなかにびょうぶからぬけだして、わるいことばかりするので、こまっておるのじゃよ」
もちろん、そんなことあるはずありませんが、有名(ゆうめい)な絵描(えか)きがかいたのでしょう。
びょうぶに描(えが)かれたトラは、キバをむいて、いまにもおそいかかってきそうでした。
「ほんとうに、すごいトラですね。では、しばりあげてごらんにいれます。なわをよういしてください」
一休さんは、はちまきをして、うでまくりをしました。
けらいがなわをもってくると、一休さんは、殿(との)さまにたのみました。
「では、トラをびょうぶからおいだしてください。すぐにしばってごらんにいれます」
と、みがまえました。
「うーむ。あっぱれなとんちじゃ。ほうびをつかわそう。またくるがよいぞ」
一休さんは、たくさんのほうびをもらって、ホクホク顔(かお)で、お寺(てら)に帰(かえ)りました。
おしまい
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