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        1ねんせいのえどこばなし 
        
      やきごおり 
      
       さむい あさの ことです。 
   むすこが いえのそとへ でて、 あつくはった こおりを わって、 もってきました。 
  「おやじさま、 けさは さむいはずです。 ほれ、 このとおり。 こんなに あつく こおりが はりました」 
   すると、 おやじは、  
  「どれどれ、 ほんとに、 あつく はったものだ。 ・・・そうだ! かんのうち(→さむいあいだ)の こおりは くすりと いうから、 ひとくち くって みよう」 
  「いや、 かたくて、 かたくて、 とても おやじさまには、 はが たちますまい」 
  と、 むすこが いうと、 
  「そうか、 それなら やいてくれ。 こんがりと、 こげめが つくようにな」 
   
   こおりは やいても みずになるだけで、 やわらかくなったり、 こげめは つきませんよ。  
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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