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        3年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      浪人(ろうにん)のこたつ 
      
      
       雪のふる、寒(さむ)い日のことです。 
   浪人(ろうにん)で、働(はたら)いていないお侍(さむらい)さんのところへ、友だちの浪人(ろうにん)が遊(あそ)びにいってみると、なんと、あたたかそうなこたつにあたっています。 
  「おい、こたつとは、ごうせいだな。どこで手に入れた?」 
  と、友だちがいうと、浪人(ろうにん)は、わらいながら手をふり、 
  「いやいや。実(じつ)はな、犬にふとんをかぶせただけの、犬ごたつなんだ。だが、これが、なかなかにあたたかでな。おまえもどうだ」 
  「ほほう。そいつは名案(めいあん)。では、ちと、あたらせてもらおう」 
   友だちが、足を入れたとたん、  
  「おおっ!」 
   さけびながら、目を丸くします。  
  「どうした? そんなにあったかいか?」 
  「いや、ちきしょうめ。こたつに、足を食いつかれた」 
      おしまい       
        
       
         
         
        
      
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