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        4年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      あててみな 
      
       人通りの多いにぎやかなところに、易者(えきしゃ→占い師)が店を出していました。 
 その前を、今日はどういうわけか、大勢の子どもがこま回しをして遊んでいます。 
「まったく、いまいましい子どもめ。これでは商売のじゃまだ。どこかよそで遊べばいいのに」 
 易者が、にが虫をかみつぶした様な顔をして、子どもをにらんでおりますと、向こうから男がやって来て子どもたちに聞きました。 
「これ、この辺に易者がいたはずだが、どこいらであったかな?」 
 すると子どもたちは、 
「易者に用があるのなら、あっちの方が上手だよ。あっちへ行きなよ」 
と、来た客を追い返してしまいました。 
 それを聞いた易者は、かんかんに怒って言いました。 
「この、くそがきども! よくも商売のじゃまをしてくれたな。今から親に言いつけてやるから、どこの子か、言え!」 
 すると子どもたちは、平然と言いました。 
「あんたは、易者じゃろ。占うのが商売なら、それくらい当ててみな」 
 すると易者は、くやしそうに言いました。 
「ええい、それが出来るくらいなら、ちゃんとした店をかまえておるわい」 
      おしまい         
         
        
       
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