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        6年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      日本のすずめ 
      
        
          | ♪おはなしをよんでもらう(html5) | 
         
        
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          | 朗読 : エクゼムプラーロ | 
         
       
       
      
        お城ヘ出入りしている商人が、中国から来たすずめを手に入れました。 
 すずめは全部で、六羽います。 
 中国のすずめは大変珍しいので、殿さまに献上(けんじょう→さしあげること)することになりました。 
 ところがこの殿さまは、とてもえんぎをかつぐお方です。 
 めでたい数でないと、どんなに珍しい物でも喜びません。 
「まずいな。殿さまに献上するなら、七・五・三のどれかでないとまずい。しかしいくら数えても、六羽しかおらんわ」 
 商人は、しばらく考えておりましたが、 
「ええ、ままよ」 
と、日本のすずめを一羽足して七羽にして、殿さまに献上いたしました。 
「おお、これは珍しい」 
 殿さまは大変ご機嫌で、一羽一羽、念入り(ねんいり)にながめていましたが、 
「はて、中国のすずめと申しながら、日本のすずめが一羽まじっておるぞ。どうした事じゃ?」 
と、尋ねてきました。 
「そっ、それは・・・」 
 商人が返事を出来ずに困っていると、日本のすずめが小さな口を開けて言いました。 
「お殿さま。わたくしは、通訳(つうやく)でございます」 
      おしまい         
         
         
        
       
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