| 
     | 
      | 
     
        5年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      さけなめおや子 
      
        あるところに、とてもけちな親父さんがいました。 
 親父さんは大の酒好きなので、たまには自分でお酒を買いますが、その飲み方がとてもけちでした。 
 お酒をさかずきに入れて飲んだらすぐになくなってしまうので、親父さんはお酒の入ったとっくりにはしを突っ込んで、はしについたお酒をペロペロとなめるのです。 
 これでは酒飲みではなく、酒なめです。 
 
 ある日、親父さんの息子が親父さんのまねをして、お酒をはしでペロペロとなめていました。 
 それを見た親父さんが、息子をしかりつけました。 
「こらっ! 二本のはしで酒をなめるとは何事だ! 酒をなめるときは、一本のはしでひとしずくづつだ! はしが二本だと、酒が二しずくになるだろう!」 
 まったく、けちですね。 
      おしまい         
         
        
       
     | 
      | 
     |