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        4年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      三つのあて 
      
        借金取りが、やってきました。 
「さあ、今日こそは、何がなんでも返してもらうよ」 
「すみませんが、もうちょっと待ってください。返すあてが、三つも見つかったんですから」 
「ほう、三つもですか。そいつはたのもしい。で、どんなあてで?」 
「はい、一つ目は、どこかで大金をひろうかもしれません」 
「そんなのは、あてとは言わん。次は?」 
「はい、二つ目は、どこかの金持ちが、気前よく大金をくれるかもしれません」 
「そんなやつが、いるもんか。で、最後のあては?」 
「はい、これが一番可能性が高いのですが、あんたがぽっくりと、死ぬかもしれません」 
「・・・・・・」 
      おしまい         
         
        
       
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