2年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
        イラスト myi 
      雪女(ゆきおんな) 
      
      
       おさないむすこと、二人でくらしている、男がいました。 
   吹雪(ふぶき)の晩(ばん)に、この男の家(いえ)に、まっ白い着物(きもの)をきた、三十近(ちか)くの雪女(ゆきおんな)が、やって来(き)ました。 
        
               どうやら、この大雪(おおゆき)で、行(い)き場(ば)がなくて、こまっているようです。  
         男は気(き)の毒(どく)におもって、ひと晩(ばん)、雪女(ゆきおんな)をとめてやることにしました。  
        「さあさあ、このふとんをしいて、わしの子といっしょにねるがいい」 
        と、いいながら、男は、おし入れの中からふとんを出してやりました。 
         すると、雪女(ゆきおんな)が、  
        「別(べつ)のふとんで、ねかせておくれ」 
        と、たのみますので、 
        「なぜだね?」 
        と、きくと、 
        
              「こどもに寝小便(ねしょうべん)でもされますと、わたしはとけて、消(き)えてしまいます」 
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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