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        4年生の世界昔話 
          
          
         
青い鳥 
メーテリンクの童話 
       むかしむかし、あるところに、まずしい二人の子どもがいました。 
   お兄さんの名前はチルチル、妹の名前はミチルと言いました。 
   クリスマスの、前の夜のことです。  
   二人のへやに、魔法使(まほうつか)いのおばあさんがやってきて言いました。 
  「わたしの孫(まご)が、今、病気でな。しあわせの青い鳥を見つければ病気はなおるんじゃ。どうか二人で、青い鳥を見つけてきておくれ」 
  「うん、わかった」 
   チルチルとミチルは鳥カゴを持って、青い鳥を探(さが)しに旅に出ました。 
   チルチルとミチルがはじめに行った国は、『思い出の国』でした。  
   二人はこの国で、死んだはずのおじいさんとおばあさんに出会いました。  
  「人は死んでも、みんなが心の中で思い出してくれたなら、いつでもあうことができるんだよ」 
   おじいさんは、そう言いました。  
   そして、チルチルとミチルに、この国に青い鳥がいることを教えてくれました。  
   ところが、『思い出の国』を出たとたん、青い鳥は黒い鳥に変(か)わってしまいました。 
   チルチルとミチルは、つぎに病気や戦争(せんそう)など、いやなものがいっぱいある『夜のごてん』に行きました。 
   ここにも、青い鳥はいました。  
   でも、つかまえて『夜のご殿(てん)』を出たとたん、青い鳥はみんな死んでしまいました。 
   それから二人は『ぜいたくのごてん』や、これから生まれてくる赤ちゃんがいる『未来(みらい)の国』に行きました。 
   どこにも青い鳥はいましたが、持ち帰ろうとすると、みんなだめになってしまうのです。  
  「さあ、起きなさい。今日はクリスマスですよ」 
   お母さんのよぶ声が聞こえました。  
   目を覚(さ)ますと、二人は自分たちの部屋のベッドの中にいました。 
   青い鳥を探(さが)す旅は、終わったのです。 
   チルチルとミチルは、とうとう青い鳥をつかまえることが出来ませんでした。  
   でも、チルチルとミチルが、ふと鳥カゴを見ると、中に青い羽根が入っているではありませんか。  
  「そうか、ぼくたちの飼(か)っていたハトが、ほんとうの青い鳥だったんだ。しあわせの青い鳥は、ぼくたちの家にいたんだね」 
   二人はお互(たが)いに顔を見合わせて、ニッコリしました。 
   魔法使(まほうつか)いのおばあさんは二人に、しあわせはすぐそばにあっても、なかなか気がつかないものだと教えてくれたのです。 
      おしまい         
         
        
       
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