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1ねんせいのせかいむかしばなし
おばあさんの こブタ
イギリス の むかしばなし → イギリス の せつめい
むかしむかし、 おばあさんが、 いちばで ちいさなブタを かいました。
ブタを つれて うちへ かえってきましたが、 ブタが うらにわの とぐちの ところで たちどまって、 どうしても なかへ はいろうと しません。
こまった おばあさんが、 だれか てつだってくれる ひとを さがそうと あるいていくと、 イヌに であいました。
それで おばあさんは、
「ねえ、 イヌよ。 うちの こブタに かみついておくれ。 こブタが とぐちを ふさいでいるので、 わたしも うちへ はいれないのだよ」
と、 いいましたが、 イヌは だまって そっぽを むいています。
しかたなく おばあさんは、 また すこしあるいていくと、 きの こんぼうに であいました。
「ねえ、 こんぼうや。 イヌを ぶって おくれ。 イヌが こブタを かまないから、 こブタは いりぐちを ふさいだままなの。 それで わたしは うちへ はいれないのだよ」
そういっても、 こんぼうは へんじを しません。
おばあさんは、 また すこし あるいて いきました。
こんどは、 あかいひが もえていました。
それで、 おばあさんは、
「ひよ。 こんぼうを やいておくれ。 こんぼうが イヌを ぶたないから、 イヌが こブタを かまないし、 こブタが いりぐちを ふさいで いるから、 わたしは うちへ はいれないのだよ」
そういっても、 ひは へんじを しません。
おばあさんが また あるいていくと、 こんどは みずに であいました。
「みずよ。 ひを けして おくれ。 ひが こんぼうを やかないから、 こんぼうは イヌを ぶたないのよ。 イヌが こブタを かまないから、こブタは いりぐちを ふさいだまま。それで わたしは うちへ はいれないのだよ」
そういっても、 みずは へんじを しません。
おばあさんが また あるいていくと、 こんどは ウシに であいました。
「ウシよ。 みずを のんでおくれ。 みずが ひを けさないから、 ひが こんぼうを やかないし、 こんぼうが イヌを ぶたないから、 イヌが こブタを かまないし、 こブタが いりぐちを ふさいで いるから、 わたしは うちへ はいれないのだよ」
でも、 ウシは だまっています。
おばあさんが また あるいていくと、 なわに であいました。
「なわよ。 ウシを しばって おくれ。 ウシが みずを のまないから、 みずが ひを けさないし、 ひが こんぼうを やかないから、 こんぼうが イヌを ぶたないし、 イヌが こブタを かまないから、 こブタが いりぐちを ふさいだまま。 それで わたしは、 うちへ はいれないのだよ」
そういわれても、 なわは へんじを しません。
おばあさんが また あるいていくと、 ネズミが いました。
「ネズミよ。 なわを かじって おくれ。 なわが ウシを しばらないから、 ウシが みずを のまないし、 みずが ひを けさないから、 ひが こんぼうを やかないし、 こんぼうが イヌを ぶたないから、 イヌは こブタに かみつかない。 こブタは いりぐちを ふさいだままで、 わたしは うちへ はいれないのだよ」
でも、 ネズミは だまっています。
また あるいていくと、 ネコに あいました。
「ネコや。 ネズミを とっておくれ」
と、 おばあさんは、 ネズミと なわと ウシと みずと こんぼうと イヌが、 みんなうごいて くれないので、 こブタが いりぐちを ふさいだままで、 おばあさんが うちへ はいれないと、 わけを はなしました。
すると ネコは、
「ニャーン、 ニャーン。 おばあさん、 あんたが ウシのところへ いって、 おちちを もってきてくれたら、 わたしは ネズミを とってあげるよ」
そういいましたので、 おばあさんは ウシのところへ いって、 おちちを くださいと たのみました。
すると ウシは、 いいました。
「おばあさん、 あんたが まきばの ほしくさを ひとかかえ もってきてくれたら、 おちちを あげるよ」
おばあさんは さっそく、 まきばから ほしくさを もってきて、 ウシに やりました。
ウシは そのくさを たべると、 おちちを だして やりました。
おばあさんは、 それを おさらに いれて、 ネコのところへ もっていきました。
ネコは よろこんで おちちを なめると、 すぐに ネズミを おいかけました。
ネズミが なわを かじろうとしますと、 なわは ウシを しばろうとします。
それで ウシが みずを のみかけますと、 みずは ひを けそうとして、 ひは こんぼうを やこうとします。
こんぼうが イヌを ぶとうと しますと、 イヌは こブタに かみつこうと しました。
すると こブタは ようやく、 にわへ とびこみました。
それで おばあさんも やっと、 うちへ はいることが できたのです。
おしまい
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