3年生の世界昔話(せかいむかしばなし) 
          
          
        イラスト myi   ブログ sorairoiro 
         
ヘビの足 
中国の昔話(むかしばなし) → 中国のせつめい 
      
       
      
       
       むかしむかし、ある村の人たちが、四、五人あつまって、おみやのそうじをしていました。 
   そうじがおわったとき、かんぬしさんがお酒(さけ)をいれたツボをもってきて、みんなにさしだしました。 
        
              「ごくろうさまでした。すこしですが、めしあがってください」 
         みんなはおれいをいって、それをうけとりました。  
         ところが村の人たちは、四、五人いるのに、お酒(さけ)はツボに、たった一ぱいだけです。 
        
               これでは、みんなでのむには、とてもたりません。  
         すると、一人の男がいいました。  
        
              「こうしたら、どうだろう。みんなで地面(じめん)にヘビの絵をかくきょうそうをするのさ。一番はやくかきあげたものが、一人でお酒(さけ)をいただくんだ」 
        「なるほど、それはおもしろい。よし、それできめよう」 
         そうだんがまとまり、みんなは、じめんの上にヘビをかきはじめました。  
        
               そのうちに、一人の男が一番はやくかきあげました。  
        「できたぞ! おれが一番だ。あっははは。みんなにはわるいが、このさけはおれがちょうだいするよ」 
         男はそういって、酒(さけ)ツボに手をのばそうとしましたが、ふと気がついて、  
        「しまった! これはしくじったぞ。ヘビに足をつけることをわすれていたわい」 
         そういうと、あわててヘビの足をかきはじめました。  
         するとそれよりさきに、ほかの男がヘビをかきあげて、  
        「できた。酒(さけ)はおれのものだ」 
        
               そういうなり、お酒(さけ)をおいしそうにのみはじめました。 
         はじめの男がざんねんそうにそれを見ていると、その男はわらっていいました。  
        
              「よくかんがえてみろ、ヘビに足があってたまるもんか。そんなよけいなものをくっつけようとするから、こんなうまい酒(さけ)をのみそこねるんだよ」 
        と、いうわけで、よぶんなものをつけることを、『蛇足(だそく)』というようになったのです。 
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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