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        2年生の世界昔話(せかいむかしばなし) 
          
          
         
ゾウのめかた 
中国(ちゅうごく)の昔話(むかしばなし) → 中国のせつめい 
      
       むかしむかし、中国(ちゅうごく)のみやこへ、とおい南(みなみ)の国(くに)から一ぴきのゾウがおくられてきました。 
  「ほほう。なんと大きな、けものなんだろう」 
   ゾウをはじめて見る人びとが、めずらしそうにあつまってきました。  
  「こんなけものは、これまで見たこともない。いったいめかた(→おもさ)は、どれくらいあるだろう?」 
  「では、はかってみようじゃないか」 
  「でも、こんな大きなものを、はかるはかりはないだろう」 
  「そうだなあ。どうすれば、はかることができるだろう。なにか、いいくふうはないかなあ?」 
   人びとがワイワイとそうだんしていると、一人がこういいました。  
  「まず、力もちの人をおおぜいあつめることだ。そしてゾウのからだになわをかけ、ながいぼうにとおしてかつぎあげてみたらどうだろう」 
   しかし、すぐに、はんたいする人がでました。  
  「そりゃあ、だめだよ。それじゃゾウをもちあげるだけで、めかたははかれないじゃないか」 
  「そうだそうだ、やっぱり大きなはかりをつくらなければ、はかることはできないよ」 
  「でも、そんな大きなはかりをつくるのは、むりだろう」 
  「そうだな。やっぱりむりか」 
   人びとは、とうとうあきらめようとしました。  
   そのときです。  
   うしろのほうで、  
  「はかることは、できるけどなあ」 
  と、いう声(こえ)がきこえました。 
   人びとがいっせいにふりかえると、そこに一人の男の子が、ニコニコわらいながらたっていました。  
  「なんだ子どもか。あっちにいきなさい。子どもにはわからないことだよ」 
   みんなはガッカリしましたが、子どもはじしんたっぷりでいいはります。  
  「でも、ちゃんとはかることはできるよ!」 
  「やれやれ。では、どうすればはかれるというのだね?」 
  「ほら、あれを見てごらん」 
   子どもは、むこうの大きな池(いけ)をゆびさしました。 
   池(いけ)には、大きな船(ふね)がうかんでいます。 
  「あの船(ふね)に、ゾウをのせるんだよ」 
  「それで、のせてどうするんだ?」 
  「ぼくのいうとおりに、やってみればわかるよ」 
   あまりにも、じしんたっぷりに子どもがいうので、みんなはしかたなく、ゾウをその船(ふね)にのせてみました。 
   さて、ここでこのお話(はなし)を読(よ)んでいるみなさんも、考(かんが)えてみてください。 
   どうすれば、ゾウの重(おも)さをはかることができるのでしょうか? 
   ・・・・・・では、お話(はなし)の続(つづ)きです。 
   ゾウが船(ふね)にのると、ゾウのおもさで船(ふね)がググッとしずみました。 
   子どもはそのしずんだところに、すみでしるしをつけます。  
  「さあ、これでよし。こんどはゾウをおろして、かわりに石をのせておくれ」 
   みんなはたくさんの石を、船(ふね)にのせていきました。 
   すると船 ふね)はすこしずつしずんでいって、とうとう、さっきゾウをのせたときにつけたしるしのところまできました。 
  「はい、そこでやめてください!」 
   子どもは、こんどはその石を船(ふね)からおろして、すこしずつはかりではかるようにたのみました。 
   石をすこしずつなら、どんなはかりでもはかることができます。  
   みんなは、ひとかかえずつ石のめかたをはかりながら、それをちょうめんに、かきつけていきました。  
  「さあ、みんなはかりおわったら、ぜんぶの石のめかたをたしてごらんなさい。それが、あのゾウのめかたです」 
   みんなは、おどろきの声(こえ)をあげました。 
  「そうか、なるほど。子どもだとバカにしていたが、これはすっかりやられてしまったわい」 
  「まったくだ。ほんとうに、たいした子どもだ」 
   みんなはその子どものちえにかんしんして、この子どもをほめたたえました。  
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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