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福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) >だまされた泥棒
だまされた泥棒
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Max 720p youtubeの設定で変更可能
制作 : 声のビタミン なっチャンネル
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
「さあ、今日も一日良く働いた。後はぐっすりと寝よう」
二人が戸締まりをして明かりを消すと、ぬき足、さし足、しのび足で、泥棒が入ってきました。
ミシッ、ミシミシ。
床がきしむわずかな音に、おじいさんは気づきました。
(おや、こんな貧乏な家に、泥棒が入ってきよったわい。何も盗られる物はないが、一つ、泥棒をだましてやるか)
おじいさんはそう思って、隣に寝ているおばあさんを起こしました。
「なあ、ばあさんや。一度寝たら、もう朝まで起きる事がないおまじないがあるのを知っているか?」
「いいえ、そんなおまじないは知りませんよ」
「そうか、では教えてやろう。
まずは、もちつきのうすに、財布だのタバコ入れだの、今持っている物を全部入れるんじゃ。
そして、うすに着ている着物を脱いでかける。
こうすればどんな事があっても、一度寝たら朝まで起きる事がないそうじゃ。
こんな事を泥棒に知られたら大変だから、これは二人だけの秘密だぞ。
では、お休み」
おじいさんはそう言って、グウグウといびきをかくまねをしました。
さあ、これを聞いて、泥棒は大喜びです。
(では、さっそく試してやろう)
泥棒は手探りでうすを探すと、その中に財布やタバコ入れを入れて、着物を脱いでかぶせました。
(よし、これで見つかる心配はない)
安心した泥棒は、おじいさんたちが寝ている座敷にズカズカと入り込むと、たんすの引き出しを乱暴に開けました。
すると待ち構えていたおじいさんが大声で、
「泥棒だー!」
と、叫んだものですから、泥棒はびっくりです。
泥棒はあわてて、裸のまま逃げて行きました。
おじいさんは明かりをつけると、騒ぎに起き出したおばあさんに言いました。
「ばあさんや、さっき言ったまじないじゃが、あれは、朝まで起きないまじないではなく、実は泥棒が荷物を全部置いていってくれるまじないなんじゃ」
おしまい
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