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          雪女の恩返し 
         
         
         
        雪女の恩返し 
        百物語 
         
        オリジナル版 
      
       むかしむかし、ある村はずれに、大金持ちの家と貧乏な家がありました。 
         
 ある、吹雪の夜です。 
 白い着物を着た美しい娘が、お金持ちの家の戸を叩きました。 
「わたしは旅の者ですが、この吹雪で困っております。どうか今夜一晩、泊めて下さいませんか?」 
 すると金持ちの主人は、 
「はん。お前がどうなろうと、わしの知った事か」 
と、ぴしゃりと戸を閉めてしまいました。 
 そこで娘は仕方なく、隣の貧乏な家に行って戸を叩きました。 
「わたしは旅の者ですが、この吹雪で困っております。どうか今夜一晩、泊めて下さいませんか?」 
 すると貧乏な家のお百姓さんは、 
「さあ、早く中へお入り。大した物はないが、こんな所でよかったら、遠慮なく泊まっていくがいいよ」 
と、娘をいろりのそばへ座らせて、火を大きくしてあげました。 
そして、おかみさんも、 
「外は寒かったでしょう。こんな物でよかったら、食べておくれ」 
と、自分たちが食べる分のおかゆを、娘に出してくれたのです。 
 それを一口食べた娘は、 
「ありがとうございます。おかげで生き返った様な気持ちです」 
と、涙をこぼして喜びました。 
 それから、お百姓とおかみさんは、自分たちの布団を娘に貸してあげて、自分たちはわらの中にもぐって寝ました。 
 
 さて次の朝、お百姓さんとおかみさんは早起きして、娘の為においしい味噌汁をつくってあげました。 
「さあ、朝ご飯が出来ましたよ」 
 おかみさんがふとんのそばに行ってみると、どうした事か娘の姿がありません。 
「はて、どこへ行ったのかしら? ・・・あら、この手紙は」 
 おかみさんは、布団の横に置かれた手紙に気づきました。 
 そして、その手紙を読んでみてびっくり。 
 そこには、こう書かれていたのです。 
《わたしは雪女で、この冬を最後に寿命が尽きる運命でした。 
 生きている最後に温かいもてなしを受け、わたしは人間の心であの世へ旅立つ事が出来ました。 
 ありがとうございます。 
 お礼を服の中に残しておきますので、どうぞ使って下さい》 
 そこでおかみさんがあわてて布団をめくってみると、娘が着ていた服がありました。 
 おかみさんがその服を手に取ってみると、服はぐっしょりと濡れており、そしてその服の中には小判がたくさん入っていたと言う事です。 
      おしまい 
      この作品は、読者からの投稿作品です。 
           
         
      作者 :つれづれ居士         
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