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福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) キツネとネコ
キツネとネコ
アニメサイズ
Max 2880×2160 字幕「日本語」「英語」
イラスト 「荒駒るみ」 運営サイト Rumiの作品置き場 eRu★Art
キツネとネコ(4k HD)
イラスト版 えほん版
むかしむかし、ある森の中で、ネコはキツネとバッタリ出会いました。
ネコはニコニコしながら、キツネに話しかけます。
「こんにちは、キツネさん。狩(か)りの方はうまくいっていますか?
この頃獲物(えもの)が少なくなって、狩りがやりにくくなりましたね。
でもキツネさんは頭が良いから、きっとどんな時でもうまくやっていらっしゃるんでしょうね」
するとキツネはネコをジロジロとながめてから、めんどくさそうに返事をしました。
「ぼくがうまくやっているかだって? まあ、きみに比べたら少しはね。
・・・で、きみはどんなやり方を知っているの?」
「わたしは、イヌから逃げる方法をたった1つしか知らないんです」
「どんな?」
ネコは、恥ずかしそうに答えました。
「もしイヌが追いかけて来たら、すぐ木に登る。それだけです」
「へー、それだけ」
キツネは、大げさに驚きました。
「ぼくは逃げ方だけでも、百以上のやり方を知ってるぜ。
それから、相手をワナに引っかける技もね。
みんな、ぼくの知恵袋(ちえぶくろ)の中に入っているんだ。
あわれなネコくん、1つ教えてあげようか?」
キツネが得意(とくい)になって、夢中(むちゅう)でしゃべっている時です。
いつの間にかイヌを4匹連れた狩人が、すぐそばまで来ていました。
ネコは素早く、木に登りました。
これで安心、木の枝や葉っぱがネコをスッポリと覆い隠してくれます。
「キツネさん、はやく知恵の袋を開けなきゃ!」
ネコが言った時にはもう遅く、キツネはイヌに捕まってしまいました。
「キツネさん、どうして?
百以上のやり方を、知っているのに。
・・・あっ、そうか。
どのやり方にするのか迷っているうちに、捕まってしまったんだ。
わたしはたった1つしか逃げ方を知らなくて、助かったよ」
ネコはつぶやいて、「ホッ」とため息をつきました。
おしまい
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