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福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) ラプンツェル(4k HD) 第3章
ラプンツェル(4k HD) 第3章
アニメサイズ
Max 2880×2160
イラスト 和穗かなた 運営サイト ここあ
ラプンツェル(4k HD) 第3章
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イラスト版 えほん版
魔女がラプンツェルのところにやって来るのはいつも昼間だったので、その日から王子は毎日夕方になるとラプンツェルに会いに行きました。
王子はラプンツェルに、色々な事を教えてくれました。
この国はとても広く、大勢の人が住んでいる事。
国の外にはさらに大きな世界が広がっていて、そこには海や山がある事。
王子はお城に住んでいて、この国のために働いている事。
魔女のおばあさんと、この塔が全てだったラプンツェルには、とてもすてきなお話しばかりです。
王子の話しを聞くうちに、ラプンツェルは外の世界へ行ってみたいと思うようになりました。
そんなある日、王子がラプンツェルに言いました。
「ラプンツェル、ぼくはあなたが好きです。どうかこの塔を出て、ぼくと一緒に城で暮らしてくれませんか?」
「ええ。わたしも、あなたと一緒に外の世界へ行きたいの。でも、どうやって塔を出ればいいの?」
他の人はラプンツェルの髪の毛を伝って上り下り出来ますが、ラプンツェル自身は塔を上り下りする事が出来ません。
少し考えた王子は、ラプンツェルに言いました。
「それでは、これから毎日、きぬ糸を少しずつ持ってきます。そのきぬ糸ではしごをあんで、ここから出て行きましょう」
次の日から王子はラプンツェルのところにきぬ糸を少しずつ持って行き、ラプンツェルはそのきぬ糸をあんではしごを作りました。
さて、この塔の部屋には、きぬ糸のはしごを隠すところがありません。
そこでラプンツェルは魔女に気づかれないように、作ったきぬ糸のはしごを自分の長い髪の毛の中に隠しました。
そして一ヶ月もすると、塔の下までとどくきぬ糸のはしごが完成したのです。
いよいよ明日は、ラプンツェルが塔の上から逃げ出す日です。
その日のお昼、いつものようにやって来た魔女は、ラプンツェルの長くて美しい金髪をなでながら言いました。
「お前の髪は、いつ見ても美しいね。
これからもわたしのために、その髪を伸ばし続けるんだよ。
・・・おや?」
魔女はラプンツェルの髪の毛をなでながら、金髪の中に白い物がまじっているのに気づきました。
「これは何だい? お前の美しい金髪の中に、白い毛がまじっているよ」
そして魔女はラプンツェルが髪の毛の中に隠してあった、きぬ糸のはしごを見つけたのです。
魔女は恐ろしい目で、ラプンツェルをにらみつけました。
「何だい!
この髪の毛に、隠しているはしごは!
もしかしてお前、このわたしから逃げるつもりなのかい!」
「ごめんなさい。でも、わたし、外の世界を知りたいのです」
「外の世界だって!?
そうかい、お前に悪い男が付いたんだね!
せっかくお前を世間から引き離しておいたのに、何て事だい!
今まで育ててやった恩を忘れて出て行こうなんて、お前は何てばち当たりなんだ!
お前なんか、もうわたしの娘じゃないよ!
望み通り、外の世界に放り出してやるわ!!」
魔女はそう言うと大きなハサミでラプンツェルの長く美しい髪の毛を、ジョキリジョキリと短く切り落としました。
そしてラプンツェルを塔から引きづり出すと、着の身着のままで世界の果ての荒れ野にラプンツェルを置き去りにしたのです。
おしまい
第4章に続く
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