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      福娘童話集 > 絵本紙芝居(アニメかみしばい) 金になったお姫さま4kHD 
         
          金になったお姫さま(4kHD) 
          アニメサイズ
        Max 2880×2160 字幕「日本語」 
        
         
        イラスト myi   ブログ sorairoiro 
         
        金になったお姫さま4kHD 
        ギリシアの昔話 → ギリシアの国情報 
         
        イラスト版  えほん版 
      
       むかしむかし、たいへん金の好きな王さまがいました。 
「金はいい。ピカピカと光って美しいし、なによりも値段が高い。・・・どれ、宝の蔵(くら)へ行って、金をながめてこよう」 
 王さまは金のかんむりをかぶりなおして、金のいすから立ちあがりました。 
 宝の蔵は、かべも柱もてんじょうも、全てが金で出来ていました。 
 金の大きなテーブルには、金の食器が並んでいます。 
 かざってあるよろいや剣も、全て金です。 
 王さまは金ぴかの部屋を見回して、楽しそうに言いました。 
「世界中に、これほどたくさん金を持っている者はいないだろう。 
 だが、もっとたくさん金がほしいものだ。 
 もしも、わたしの手でさわった物がみんな金になったら、どんなに良いだろう」 
 王さまがそうつぶやいた時、うしろからやさしい声がしました。 
「それほど金がお好きなら、あなたののぞみをかなえてあげましょう」 
 王さまがふりむくと、そこには美しい女神(めがみ)が立っていたのです。 
「ほっ、本当ですか?」 
「はい、今からあなたの手でさわった物は、全て金にかわります。それが、どんな物であっても」 
 女神はそう言うと、フッと消えてしまいました。 
「わたしの手でさわった物が、全て金になるとはすばらしい! さっそく、ためしてみよう」 
 王さまはまどへ行くと、風でユラユラゆれている絹(きぬ)のカーテンをさすりました。 
 すると絹のカーテンが、ドッシリと重い金のカーテンに変わってしまったのです。 
「これはすごい! 本当に金になった!」 
 王さまは、大喜びです。 
 王さまは、庭の花園(はなぞの)に行きました。 
 花園には美しい羽のクジャクが歩いていて、まわりはケシの花がいっぱいです。 
 王さまは、クジャクの頭をなでました。 
 するとクジャクは、とてもまぶしい金のクジャクに変わりました。 
 次に王さまは、ケシの花にさわりました。 
 ケシの花も、光り輝く金の花に変わりました。 
「なんと、動物や植物まで金に変わってしまうとは。・・・女神さま、ありがとうございます」 
 王さまが大喜びしていると、その声を聞いたお姫さまが花園にやってきました。 
「まあ、お父さま。何をそんなに、喜んでいらっしゃるの?」 
「おお、姫か。見ておいで。わたしが手でさわると、なんでも金になってしまうのだよ。さあ、こっちへ来てごらん」 
 王さまは思わず、かわいいお姫さまの頭をなでました。 
 するととたんに、お姫さまは金になってしまったのです。 
「ああっ、なんという事だ!」 
 王さまは、お姫さまをゆさぶって泣きました。 
「姫、姫。どうか、目を開けておくれ! どうか、返事をしておくれ!」 
 けれども金になったお姫さまは目を開けませんし、返事もしてくれません。 
 王さまは、天に向かって手を合わせてたのみました。 
「女神さま、わたしが間違っていました。どうかこの魔法を、といてください。わたしには金よりも、姫が大事です。どうぞ、もとのかわいい姫にもどしてください」 
 するとどこからか、女神さまの声がしました。 
「それでは、裏の川でよく手を洗いなさい。そしてその川の水を金になった物にかければ、もとの姿に戻りますよ」 
 王さまはさっそく川へかけだすと、手をゴシゴシと洗って、その水を金のお姫さまの頭にかけました。 
 するとお姫さまはニッコリ笑って、もとの美しい姿になりました。 
 王さまはクジャクにもケシの花にも絹のカーテンにも、金に変えた全ての物に水をかけました。 
 そしてお姫さまとしっかりと手をつなぎ、うれしそうに帰って行きました。 
      おしまい 
         
          
           
          
          
       
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