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1月9日のイソップ童話
ノミとウシ
ある日、ノミ(→詳細)がウシにたずねました。
「いったいぜんたい、人間はあなたにどんな親切をしてくれたっていうの。あなたみたいに大きくて強い動物が、毎日、人間のためにはたらくなんて、どうかしているわ。わたしをごらんなさい。わたしは人間なんか、ばりばり肉を食いやぶって、がぶがぶ血をすってやるのよ」
するとウシは、
「ぼくは人間たちに感謝してるんだ。いつもぼくをかわいがって、だいじにしてくれるし、ひたいや背なかを、たびたびさすってくれるもの」
「ひえーっ。あなたはさすられるのがすきなの。わたしは、人間の手でさすられたら、もうおしまいのペチャンコだわ」
口先だけのつよがりは、あんまりりこうでないあいてにさえ、すぐにやりこめられてしまうものです。
おしまい