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世界のとんち話 第29話
けがをしたオオカミ
イヌたちにかまれて弱ったオオカミが、地面にたおれていました。
うごけないので、エサをさがしにいくことができないでいると、ヒツジの姿が見えました。
「おーい、ヒツジさん。すみませんが、近くの川から水をくんできて下さい。食べ物は自分でみつけますから」
オオカミがたのみますと、ヒツジは頭をふっていいました。
「でもねえ、わたしが飲みものを持っていけば、あなたの食べ物になるのは、このわたしじゃありませんか」
この話は、体裁のよいことをいってだまそうとする悪者を、たとえています。
おしまい
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