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日本のとんち話 第36話
サルのうめたつぼ
富山県の民話
むかしむかし、ある村の山中に一匹のサルがいて、糸をつむいでいる女の人にイタズラばかりしていました。
ある夜の事、このサルがいつものようにイタズラをしようと一軒の家に入り、障子(しょうじ)の穴から家の中をのぞいたところ、気づいた女の人がぬい針でサルの目をつきました。
「ウキィィィィー!」
悲鳴をあげて谷にもどったサルは、医者に通ってなんとか目を治しましたが、それからは心を入れかえて村の人に薬を売ったり魚を売ったりして喜ばれました。
こうしてもうけた大金を、そっくり茶色の大つぼに入れると、
《山に金を入れたつぼをうめた。つぼを見つけた者に、お金をやる。サルより》
と、立て札を立てたので村は大さわぎです。
われもわれもと山に入り、草をかりとってつぼをさがしました。
そのおかげで干し草が山積みにされ、田畑が増えて、村は栄えたということです。
そしてそのつぼは、まだうまったままだとつたえられているのです。
おしまい
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