福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話 
         
           
         
悪口を言い合うブタとイヌ 
      
      
        ブタとイヌが、口汚くののしり合っていました。 
         ブタが、 
        
       「アフロディテの女神にかけて、お前なんか、ばりばり食い裂いてやるよ」 
        と、言いますと、イヌは皮肉な顔で、 
        「ほほーう。アフロディテさまにかけて誓うとは、あんたにしては気がきく話だね。 
         確かに、お前さんはアフロディテのお気に入りとみえるね。 
        
        あの女神は、お前のそのけがらわしい肉を食った人は、絶対に自分の神殿には入れないほどだもの」 
         するとブタは、 
        「それこそ、女神がわたしを可愛がっている証拠さ。 
         わたしを殺したり、いじめたりする人は、絶対に寄せつけないわけだからね。 
        
        お前ときたら、生きている間も死んだ後も、いやなにおいをぷんぷんさせているじゃないか」 
           
         このお話しは、話しの上手な人は、相手からあびせられた悪口をうまく利用して、自分を褒める言葉にすり替えてしまうという事をしめしています。 
      おしまい           
         
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