福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
ノミと人間
一匹のノミがある人にたかって、むずむずさせていました。
その人は、ノミをつかまえて、
「なんだおまえは。やたらにあちこち刺して、おれのからだぜんたいを食いものにするとは、まったくけしからん」
すると、ノミはいいました。
「でも、これがわたしのくらしかたなんです。わたしを殺さないで下さい。たいして悪いことをするわけではないのですから」
人間は笑いだして、
「それでもやっぱり、おまえを生かしてはおけない。いま、この手で殺してやる。悪いことには、小さいも大きいもない。とにかく悪いことがおこらないように、ふせがなくてはいかんのだ」
「プチッ」
強い弱いに関係なく、悪い人に同情してはいけないと、このお話しはおしえています。
おしまい
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