福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
からいばり
故郷(こきょう)の人から、いつも『へぼ選手』『腰抜け選手』と、言われているスポーツ選手が、あるとき外国へ行きました。
しばらくたって故郷に帰ると、この男はみんなに、行った先の色んな国で、素晴らしい成績をおさめたと自慢して、
「特に、ロドス島では、ジャンプの素晴らしい記録が出ましてね。オリンピックのチャンピオンも、いまだかつて出した事のない大記録をつくりましたよ。本当です。あの時見ていたロドスの人がこの町に来たら、その通りだったと証言してくれるでしょう」
と、言いました。
すると、それを聞いていた人々の中の誰かが、叫びました。
「なあに、証人なんかいらないよ。ここがロドス島だと思って、飛んでごらん」
「そ、それは・・・」
実力のない人が、あの時はどうだったと自慢しても、誰も感心してくれません。
おしまい
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