福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
オオカミとおばあさん
お腹の空いたオオカミがエサを探して、さまよっていました。
ある所へさしかかると、子どもの泣く声と、おばあさんがその子を叱っている声が聞こえました。
「もう泣くのはお止め。止めないと、お前をオオカミにやってしまいますよ」
「しめしめ」
オオカミは、おばあさんが本気で言っていると思ったので、そこに立ち止まって長い事待っていました。
そのうち、日が暮れてしまいました。
するとまた、おばあさんの声がしましたが、今度は子どもをあやしながら、こんな事を言っているのです。
「よしよし、いい子だ。オオカミが来たら、おばあちゃんと坊やと二人で殺してやろうね」
これを聞いて、オオカミは、
「ここの家の人は、口でいう事と実際にする事とが別々らしいわい」
と、言いながら、また歩き始めました。
このお話しは、言う事とする事が全然違う人たちに聞かせるお話しです。
おしまい
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