福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうのイソップ童話
ごましお頭の男と女たち
白髪がふえて、ごましお頭になった男が、二人の女となかよくしていました。
一人の女はわかくて、もう一人は年よりでした。
年よりの女は、自分よりも年下の男を恋人にするのははずかしいと思って、男があそびに来るたびに、ごましお頭から黒い毛ばかり、こっそりすこしずつぬくことにしました。
いっぽう、わかい女は、年よりの恋人ではていさいが悪いと思って、白髪だけをこっそりぬきました。
こうして、かわるがわる白い毛と黒い毛をぬかれたために、とうとう男はツルツルのはげ頭になってしまいました。
このように、なにごとでも気持ちがひとつになっていないと、かならずこまったことがおこるものです。
おしまい
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