福娘童話集 > お話し きかせてね > 日本昔話の朗読 
         
        
       
金太郎 
金太郎のぬりえ 
      
      
       むかしむかし、あしがら山の山奥に、金太郎という名前の男の子がいました。 
 金太郎の友だちは、山の動物たちです。 
 金太郎は毎日毎日、動物たちとすもうをして遊んでいました。 
「はっけよい、のこった、のこった」 
「金太郎、がんばれ、クマさんも負けるな」 
 だけど、勝つのはいつも金太郎で、大きな体のクマでも、金太郎にはかないません。 
「こうさん、こうさん、金太郎は強いなあ。でも、次は負けないぞ」 
 今度は、つな引きです。 
 金太郎一人と、山中の動物たちの勝負です。 
 動物たちの中には、体の大きなクマやウシやウマやシカもいましたが、金太郎にかないません。 
「つな引きも、金太郎の勝ち!」 
 なんとも、大変力持ちの金太郎ですが、強いだけでなく、とてもやさしい男の子です。 
 ある日、クマの背中に乗って山道を行くと、谷のところで動物たちが困っていました。 
「どうしよう? 橋がないから、向こうへわたれないよ」 
「よし、ぼくにまかせておけ」 
 金太郎は近くに生えている大きな木を見つけると、 
「よし、ちょうどいい大きさだ」 
と、いって、その大きな木に体当たりをしました。 
ドーン! 
 すると大きな木は簡単に折れてしまい、金太郎がそれを持ち上げて谷にかけると、あっという間に一本橋のできあがりです。 
「わーい。どうも、ありがとう」 
 動物たちは大喜びで、金太郎のつくってくれた橋を渡りました。 
        
       その後、強い力とやさしい心を持った金太郎は、立派な若者になり、都のえらいお侍さんの家来(けらい)になって、悪い者を次々とやっつけたということです。 
      おしまい 
       ※  金太郎は、坂田金時と言う名で源頼光(みなもとのらいこう)に仕え、酒呑童子とよばれる鬼を退治したとされています。 
           
        大きくなった金太郎が登場するお話し。 
        → 羅生門の鬼 
        → 渡辺綱(わたなべのつな)と酒呑童子(しゅてんどうじ) 
        
         
        
       
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