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          福娘童話集 > お話し きかせてね > 日本昔話の朗読 
         
          
         
清水の観音さまのお告げ 
京都府の民話 → 京都府情報 
      
      
       むかしむかし、運にめぐまれない男が幸運を祈って、清水の観音さまへ願かけに行きました。 
「観音さま。おれは何をやっても運にめぐまれず、失敗ばかりです。どうかおれにも、幸運を授けてください」 
 すると満願の前夜、夢枕に観音さまが現れて、ありがたいお告げをしてくれました。 
「お前はよくよく運のない男だが、実に正直に生きておる。 
 そのほうびに、一つだけ運をさずけよう。 
 明朝、お堂から飛び降りてみよ」 
「えっ、飛び降りるのですか?」 
 男が目を覚ますと、ちょうど夜明けでした。 
「もしかすると、おれは死ぬかも知れない。 
 しかし、観音さまのお告げだ。 
 このまま不運続きで、生きていくよりは、・・・ええい!」 
 男がお堂から飛び降りると、その拍子に目玉が二つ抜け落ちてしまいました。 
「ああっ、これは大変だ!」 
 男があわてて目玉を拾うとすぐにはめたのですが、そのはめた目玉の片方は、前後ろが反対だったのです。 
 しかしそのおかげで、男は腹の中が手に取るように見えるのです。 
「なるほど、なるほど、体の中は、こうなっていたのか」 
 その後、男は医者になって大もうけしたということです。 
      おしまい 
        
         
        
       
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