| 
     | 
      | 
     
          福娘童話集 > お話し きかせてね > 江戸小話の朗読 
         
          
      わしにもいっぱい 
      
      
        夜遅く、台所の方からごそごそと音がします。 
「ははーん、さては、泥棒だな」 
 この家の主人、武芸(ぶげい)には自信があります。 
 主人は台所にいた泥棒に飛びかかると、しばらくして泥棒を取り押さえました。 
「おおっ、えっ、えらく、骨をおらせやがって」 
 主人が荒い息をしながらいうと、そばから女房が言いました。 
「お疲れさま。あなた、お水はいかがですか?」 
「おお、いっぱいくれ」 
 すると、押さえられていた泥棒もずうずうしく、 
「おかみさん、わしにも、いっぱいください」 
      おしまい 
         
         
        
        
       
     | 
      | 
    
       |