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      福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうの日本昔話 
       
        
       
スズメとキツツキ 
福井県の民話 → 福井県情報 
      
       
      
      
       むかしむかし、スズメのお母さんが重い病気になって、今にも死にそうだという知らせがありました。 
「そりゃ、大変だ!」 
 親孝行なスズメの息子は、普段着のまま大あわてでお母さんのところへかけつけました。 
 仕事の途中で来たので、顔はドロだらけです。 
 でも、元気な息子の顔を見たお母さんは、 
「ありがとう。よく来てくれたね」 
と、とても喜び、死にそうだった病気まで治ったのです。 
 この事を知った神さまは、とても感心して 
「これからは虫の他にも、人間と同じ様にお米を食べるがよい」 
と、お米を食べる事を許してくれたのです。 
 そして人間の住んでいる近くでも、暮らせる様にしてくれました。 
 
 さて今度は、キツツキのお母さんが重い病気になり、今にも死にそうだという知らせがありました。 
 でも、親不孝なキツツキの娘は、 
(ふーん、そうなの。 
 でもまあ、まだ死んだわけではないから、あわてなくても大丈夫ね。 
 それよりも、きっと近所の鳥たちもお見舞いに来ているから、わたしのきれいなところを見せなくちゃ) 
 キツツキの娘は、いつもよりもていねいにおけしょうをすると、一番上等な着物を着て出かけました。 
 でも気の毒な事に、お母さんは娘が来るのが待ち切れずに死んでしまいました。 
 
 さて、それを知った神さまは、カンカンに怒りました。 
「母親よりも自分が大事とは、なんとひどい娘だ!」 
 そして神さまは罰として、キツツキに木の中の虫しか食べられないようにしたのです。 
 
 そう言うわけで、スズメは今でも自由にどこへでも飛んで行けるし、おいしいお米を食べる事も出来ます。 
 しかしキツツキは山の中から出られず、木に穴を開けなければ虫を食べる事が出来ないのです。 
      おしまい 
         
         
        
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