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      福娘童話集 > お話し きかせてね > きょうの日本昔話 
       
        
       
負けず嫌いのアマガエル 
千葉県の民話 → 千葉県の情報 
      
      
       むかしむかし、あるところに、とてもヘソ曲がりのアマガエルがいました。 
 ある日の事、アマガエルが友だちのアカガエルと遊んでいると、突然、馬のひづめの音が近づいてきました。 
「あっ、アマガエルくん! こっちに馬が走って来るよ。早く逃げないと、蹴り飛ばされてしまうよ」 
 しかしアマガエルは、胸を張るといばって言いました。 
「ははーん、弱虫だな。たかが、馬ぐらいで逃げるものか。でも、お前は怖かったら逃げるといいよ」 
「このヘソ曲がり! 勝手にしろ!」 
 アカガエルはそう言うと、道ばたの草むらへと飛び込みました。 
 するとそこへ、馬がもの凄い勢いで走ってきたのです。 
「わぁ、わぁ、何て早さだ!」 
 アマガエルも、あわてて逃げようとしましたが、馬のひづめに引っかけられて、 
「グゲェーーーー!」 
と、悲鳴を上げながら遠くの方へ蹴り飛ばされてしまいました。 
「おーい、大丈夫かい!」 
 アカガエルが心配して草むらから出て行くと、アマガエルは大きな目玉を白黒させて、目を回しています。 
「ねえ。だから、早く逃げようと言ったのに」 
 ところがアマガエルは、よろよろしながらも威張って言いました。 
「何がだ? おいらは、何ともないぞ」 
「でも、蹴り飛ばされたとき、情けない声で『グゲェー!』と、声を出したじゃないか」 
「いや、その、あれはだな、馬がおいらを踏んづけそうになったから、『ふざけるな!』と、馬に怒鳴ってやったんだ」 
「それじゃあ、目玉を白黒させていたのは、どういう事だい?」 
「ああ、あれはだな、馬の奴を『このやろー!』と、睨みつけてやったんだ」 
「それじゃ、さっき起き上がったとき、よろよろしていたのは?」 
「ああ、あれはだな、生意気な馬の奴を、蹴飛ばそうとしてたんだよ」 
「・・・はい、はい」 
 負けず嫌いのアマガエルに、友だちのアカガエルも、あきれてしまいました。 
      おしまい 
         
         
        
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