むかしむかし、岡山の瀬戸内海にうかぶ大きな島へ、三羽の親子ヅルがわたってきました。 
   親ヅルたちは海に落ちた我が子を救おうとしましたが、助ける手立てがありません。 
   漁師は子ヅルを空へ戻そうとしましたが、子ヅルは羽をバタバタさせるばかりで飛ぶことができません。 
  「このケガで、海に落ちたんじゃな。だが大丈夫」 
  
        そのおかげで子ヅルのケガはすぐに良くなり、数日後には親鳥たちが待つ島へと帰っていきました。 
 庄屋さんが早起きをすると、二羽のツルが庄屋さんの家の上を舞い続けていました。 
  
        二羽のツルは明るくなると山へ帰って行きましたが、夕方になるとまたやって来て、何度も何度も家の上を舞ってから去って行きました。 
  「・・・これは!」 
 庄屋さんの思った通り、庄屋さんに助けられたツルが朝鮮から海をこえて、庄屋さんに朝鮮人参を持ってきたのです。 
 庄屋さんは二本の朝鮮人参を見つめながら、助けたツルの恩返しに感謝をしました。 おしまい  | 
    
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