福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     7月 5日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ビキニスタイルの日
きょうの誕生花
カラジウム
きょうの誕生日・出来事
1941年 仲本工事(タレント)
  7月 5日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
この下に金なし
きょうの世界昔話
吸血鬼
きょうの日本民話
どくろのお経
きょうのイソップ童話
キツネとイバラ
きょうの江戸小話
うらない
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > おどぼう池

2010年 7月5日の新作昔話

おどぼう池

おどぼう池
千葉県の民話 → 千葉県の情報

 むかしむかし、ある長者の家に、『おどぼう』とよばれる、若い使用人がいました。
 このおどぼうは同じ村の『およね』という、気立ての良い娘と恋仲だったのですが、長者の息子がおよねを気に入ってしまったのです。
 およねの家は長者から田畑を借りて暮している小作なので、長者が娘を嫁に出せと言えば、断る事が出来ないのですが、むしろ娘の両親は玉の輿だと喜んで、秋の取り入れが済んだら、およねを長者の家に嫁入りさせると決めてしまったのです。
 しかし、嫁入りの日が近づくにつれて、おどぼうもおよねも、すっかり元気がなくなってしまいました。
 でも、他の人は二人の恋仲を知らないので、元気がない事にさえ気がつきませんでした。
 そして、嫁入りが間近となった秋の夜、およねは山奥の池に身を投げて死んでしまいました。
「どうして、およねは死んでしまったんだ?」
「もうすぐ、長者の家へ嫁入りできるというのに?」
 みんなは、なぜ、およねが死んだのか、訳が分かりませんでした。
 ただ、一人その理由を知っている、おどぼうは、がまんしてみんなの前では普段通りに振る舞っていましたが、一人になると、
「およねー、およねー」
と、いつも泣いていたのです。
 それから一年ほどたったある日の事、おどぼうが、およねが死んだ池のそばで仕事をしていると、大きな赤い色のドジョウが出てきたのです。
 珍しいドジョウなので、おどぼうはドジョウを捕まえると、逃げないように近くの水たまりに入れておきました。
 そして夕方になり、おどぼうが帰ろうとした時、
「おどぼうー。おどぼうー」
と、誰かが呼ぶ声がしたのです。
「はて? 誰だろう?」
 その声が、池の方から聞こえてきたので、はっと、ドジョウの事を思い出したおどぼうは、
「おお、そうだった。水たまりに入れたままで、可哀想な事をしたな」
と、ドジョウを池に放して、再び帰ろうとすると、また、
「おどぼうー。おどぼうー」
と、池の底から声が聞こえて来るのです。
 その声を聞いたおどぼうは、びっくりしました。
「およね? ・・・その声は、およねだな!」
 なんと池の底から聞こえてきた声は、死んだおよねの声だったのです。
「およね! 今行くぞー!」
 おどぼうはそう叫ぶと夢中で池の中へ飛びこんで、そのまま二度と浮いては来ませんでした。

 それ以来、村人たちこの池を『おどぼう池』と呼ぶようになったそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識