福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     9月 6日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
鹿児島黒牛・黒豚の日
きょうの誕生花
みそはぎ
きょうの誕生日・出来事
1977年 氷川きよし(歌手)
  9月 6日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
カニの餅つき
きょうの世界昔話
人魚姫
きょうの日本民話
鬼子母神さま
きょうのイソップ童話
クマとキツネ
きょうの江戸小話
日本も広い
広告
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > ピントコ坂

2010年 9月6日の新作昔話

ピントコ坂

ピントコ坂
長崎県の民話長崎県情報

 長崎の小島(こしま)から茂木(もぎ)へと続く道に、『ピントコ坂』と呼ばれる急な坂があります。
 何でも、中国の何旻徳(かびんとく)という人の名前がなまって、『ピントコ坂』とつけられたそうです。
 このびんとくさんという人は、もともと中国の杭州(こうしゅう)に住んでいました。
 びんとくさんには、柳氏(りゅうし)という美しい許嫁(いいなずけ)がいましたが、どんな事情からか、その娘を国の大守(たいしゅ→大名)に奪われてしまい、それ以来、中国に住むのが嫌になったびんとくさんは、貿易をしている叔父さんを頼って長崎に渡ってきたそうです。
 ある年の正月、友だちに誘われて、びんとくさんは丸山(まるやま)の盛り場を歩いていました。
 くるわの石畳を通って筑後屋(ちくごや)という店の前まで来たとき、ふと、店に座っている一人の遊女(ゆうじょ)に目をやったびんとくさんは、
「あっ!」
と、声をあげたまま、その場に釘付けになってしまいました。
 驚いた事に、その女は許嫁だった柳氏(りゅうし)に瓜二つだったのです。
 それからというもの、びんとくさんは毎日のように、その女のもとへ通い続けるようになったのです。
 登倭(とわ)というその女も、びんとくさんが好きになりました。
 さて、当時の長崎の町では、大量の偽金が出回っていました。
 そして、本当かどうかはわかりませんが、
「あの偽金は、中国人が作った物だ」
と、うわさが広まって、たくさんの中国人が捕まったのです。
 そして、びんとくさんまでもが、捕まってしまいました。
 何でも、登倭(とわ)に思いを寄せる町役人が、恋敵のびんとくさんを罪人におとし入れたという事です。
 とうとう、びんとくさんは、偽金作りの汚名をきせられたまま、処刑されてしまいました。
 残された登倭は、びんとくさんの遺体をもらい受けると、泣く泣く今の小島の坂の途中に手厚く葬ってやり、そうして自分もその場で自害して果てたと言われています。
 その塚は傾城塚(けいせいづか→おいらんの墓)と呼ばれ、今もこの坂の上にひっそりと立っているそうです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識