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2015年2月2日の新作昔話
犬が片足をあげておしっこをする理由
むかしむかし、犬には足が三本しかありませんでした。
三本足では歩きにくいので、犬は神さまにお願いしました。
「神さま、どうか足をもう一本増やしてください」
すると神さまは、
「確かに、三本足では何かと不自由だな。しかし、お前の足を増やすとなると、その代りに何かの数を減らさなくてはならんのじゃ。世の中に、足の数が減っても良い物とは?」
と、腕組みして考えました。
そして、ふと良い考えを思いついて言ったのです。
「そうじゃ、香炉(こうろ)は歩かなくても良いのに、足が四本あるぞ。よし、香炉から足を一本取って、それをお前にやろう」
それから香炉は三本足になって、犬は四本足になりました。
でも、いきなり四本足になった犬は、おしっこをするときにおしっこを足にかけてしまいます。
そこで犬は、
「せっかく神さまからもらった足を、おしっこで汚しては申し訳ない。これからは片足をあげておしっこをしよう」
と、おしっこをする時は、片足をあげるようになったそうです。
おしまい
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