2018年10月8日の新作昔話
ある人が、友だちをもてなすつもりで、ごちそうのしたくをしていました。 その人の飼っているイヌは、自分も友だちのイヌに、 「きみ、ぼくのところへ、ごちそうを食べにきたまえ」 (すごいなあ。ぼくの為に、こんなうまそうな物が出てる。夢の様だなあ。よーし、腹いっぱいどんどん食べて、あしたは一日中、腹がへらないようにしてやろう) と、考えながら、しきりに尻尾を振っていました。 その家のコックさんは、さかんに尻尾を振っているイヌを見つけたとたん、足をつかまえて窓の外にポンと放り出してしまいました。 「いやあ、お酒を飲み過ぎて、すっかり酔っぱらってしまってね。どこからどうやって出てきたか、覚えていないくらいなんだ」 おしまい |
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